縮まる距離
お昼になり、ホテル内のレストランで昼食をとることに。
エレベーターで下へ向かう。
和風のフロアに到着。木のテーブルに
全員が和風の食事を選んだ。
食事の合間に、ゲームの話をして盛り上がっていると、
「残念だよ。桜の季節は、もう過ぎていたんだね」
「ちょっとダニオ。どこまで行っていたのよ。もうお昼よ」
ウェーブした髪の、色っぽい女性が言った。
ダニオは、お土産だと言って、何かのフィギュアを取り出す。エリシャがそれをスルーして、ケイとサツキと、キャロルを紹介した。
キャロルは、ダニオに自分のことを話した。
よく分かっていなさそうな
昼食が終わる。
和風の大部屋に戻った一行。
「おや。ケイさんというのは、もしかして、そこのお
「それが違うのさ。驚くなよ?」
フリードリヒが、得意げな顔で言った。
「
ジョフロワが微笑む。軽く
キャロルは、再び自分のことを説明。すこし
初対面の人同士で
紫の
サツキは、
「もう、みんな集まってたんだね。いい盛り上がりじゃないか」
部屋に入ってきた金髪ショートヘアの女性が、嬉しそうに言った。きっちりとした服では、しなやかな
キャロルは、自分のことを説明した。相手は、気にせずどんどん話してと告げる。
自己紹介して、ケイが集めたライバルたちが
「面白いよね、見てるだけでもさ」
対戦を見て笑っているケイに、いましがた
「うん。
「でもさ、この
ボニーの言葉に、ケイは
「どうもみなさん。お
和風の大部屋に、濃いグレーのシャツ姿の少年が入ってきた。ケイとサツキが反応する。
それよりも早く動くキャロル。あっという間に
「話しました! ……
すこし頭を
「あ、はい。よく頑張りましたね。偉いですね」
笑顔を返す。頭を
しかし、一人だけ様子の違う人物がいる。
「おい、アサトお前! こいつに、何か変なことされてないよな?」
ケイは、少年に対し
「……されましたわ」
フリルのついた青い服の少女は、さらりと言った。
「え? そういう関係なわけ?」
「ああ。最初に、
「なんだよ。そうなら、最初に言えって言ってるだろ。いい
ケイが強い口調で言って、そのあと笑った。よく分かっていない様子のサツキも、つられて笑う。
キャロルは、見ていた。アサトがみんなに自己紹介をする。
キャロルが
「明日は、手加減なしだぜ!」
ケイがポーズを取った。
「ありがとうございました」
サツキが手を振って、二人はその場を
当然のように、そのあとも
アサトは、なぜか女性陣に人気だった。態度は普段と変わらず、落ち着いて話す。
「ええ。まあ、
「そうなんだ。
同い年くらいに見えるナイナは、
「え? いや、
「……」
キャロルもそばにいた。落ち着きがなく、
「面白い話が聞けるかと思ったんだけどね」
思っていた
「では
アサトは手を
「……」
金髪ロングヘアの少女は何も言わず、短髪の少年の手を
「まだ
アサトは優しい口調で話した。
「ありがとうございます」
キャロルはお礼を言って、手を離した。
エレベーターを降り、ロビーを通ってホテルの外に出る。日は
川の前で立ち止まる二人。
「1ヶ月ほど前なら、桜の花が見られたんですけどね」
川のそばに並ぶ木々を見ながら、残念そうに告げるアサト。
「……いつか、その
「そうですね。ぜひ見てもらいたいですね」
微笑んで、
「そろそろ帰ります」
キャロルは、食堂で両親と夕食を食べ、
部屋に戻り歯磨きをして、和風の大部屋へ行く。
そこでは、やはり
アサトがいたときとは違い、
いつのまにか、
「
微笑みながら言った、父親。
「当然ですよ。お友達が
母親も笑っていた。どこか
「……ありがとうございます」
キャロルは、感謝の言葉を
家族は色々なことを話して、笑い合う。ブライアンが来ていないことを残念がった。
イントッシュが早く彼女を見たいと言うと、ジャスミンはまだお友達だと言い、キャロルは笑った。
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