ライバル
ホテルでの朝食を終えたキャロルと両親。大きな部屋を
家に着くと、
少女と少年は、アサトの部屋に入った。
「……わたくし、一人で……自分のことを、フレンドの皆さんに話そうと思うのです」
キャロルが
「はい」
アサトが
「もし、できたら……
フリルの付いた青い服の少女は、
「キャロルなら、できるよ」
うっかり普段の口調で答えた。それについて何か言われることはなく、笑顔が返された。
「……できれば、午前中には話します。午後にいらしてください」
「分かりました」
和やかな話がおこなわれていた
「お世話になりました」
キャロルがお
外に出る、荷物を持つ者たち。
少女が言う。家の外まで見送りに出た、濃いグレーのシャツ姿の少年に対して。
「……頑張ります」
金髪の三人は、駅のほうへと歩いていった。
「そうだよな。
線路は、すこし右にカーブしている。窓の外の景色が滑るように流れていく。
灰色が増えてきた。止まる列車。
まばらに見える人々に紛れて、三人は
近くに、大会が行われる
右手に川が流れる。
キャロルたちは、
全てが木ではないものの、木の飾りが各所に散りばめられて、和の
フロントで両親が説明する前に、キャロルが口を開いた。緊張した様子で自分のことを説明する少女に、ホテルの人は笑顔を返す。
大会の参加者だと告げると、部屋の場所を教えられる。キャロルがお礼を言う。お
「……ごきげんよう」
すぐに目的の階へ
そのフロアは、全面が和風だった。
キャロルは手を離して、自分たちの泊まる部屋に向かった。
入り口で靴を脱ぐ。
大きな荷物を置いた少女。
その前で、金髪ロングヘアの少女は立ち
近くにいた
ちらりと部屋の中を覗くと、たくさんのディスプレイとゲーム機。何人かの少女と、ウェーブした髪の女性、かなり短い髪の男性が見えた。ゲーム中の人は、紫色の
自分から話しかける
長い黒髪で、すこし背の低い少女の姿が目に
「
相手から言われ、何から話せばいいのか分からなかった。
言葉が出ないからではない。たくさん言いたいことがあった。口には出さず、黙って
キャロルのロボットは、いつものように白色。
腕がミドル、胴と
相手は灰色で、同じ
キャロルも一気に
灰色の相手は、ビームシールドを
白い
お互いに、
ミスをした方が
2戦目。
ノーガードの殴り合いになり、最後はビームナックルの
わずかな差で、キャロルは負けた。
「こんな
すこしボサボサな長い黒髪の少女は、
「……ありがとう」
キャロルは
「今、着いたのか? おれのライバルが、こんなに
かなり短い髪で
男性はフリードリヒ。ウェーブした髪の女性はエリシャ。おかっぱに近い髪型で、金髪の少女はナイナ。ミドルヘアで大きな目の少女はサツキ。
「もう分かってるだろうけど、俺、ケイなんだよ。悪いね、アバターと違って」
長い黒髪の少女は笑った。
地味な服装が、キャロルには
「……
「……」
前置きをする必要はない。しかし、キャロルは前置きをした。
「わたくしは……
顔を赤くして
薄着で肌の
「なんだよ。お前ら気に入らないから、ボコボコにしてやる! と言われるかと思ったぞ」
長い黒髪の少女が、柔らかい表情になった。
「そんなわけ、ないでしょ。ちょっと待って。調べてみる」
サツキは、
「すぐに調べられるからね。何でも言ったほうが、いいよね」
ナイナは
「おいおい、おれのライバルが苦しがってるぞ。
自由になったキャロルは、フリードリヒと
みんなは、その様子を見ながら
ほかの人同士でも対戦した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます