黒色の機体
夕食の前に、金髪ロングヘアの少女は
眉に力が入り、決意を感じさせた。
(頑張りますわ!)
十代前半の少女は、心の中で叫んだ。
呼吸が荒くなるまで運動を続ける。売店で購入した夕食を、共有スペースで食べた。
しばらくして、歯磨きを済ませたキャロル。ゲームを始める。レトロファイトの世界で
ランクはお互い16。
機体は黒色。全身ライトタイプ。左手にナイフ、右手にビームナイフ、右肩に
ステージは市街地に決定。
まばらにビルディングが建ち、中心部の開けた部分以外で
キャロルには、あまり関係なかった。
ブーストを使うと、
黒色の相手は、いきなり全身の
パージする(
(わたくしが
キャロルは、相手の
相手がナイフを
ビームシールド
一瞬、ビームシールドを使って
「戦い
キャロルが、微笑みながら戦う。
お
フレーム姿の相手。素早い動きに
キャロルは落ち着いていた。相手のわずかな
2戦目も、
キャロルは、あと
【おれはライバルを見つけた! また戦いたい。
素直なメッセージだ。
【はい。よろしくお願いします】
キャロルは
(わたくしと同じような戦いをなさるなんて。お友達になれそうですわ)
その
声を出しながら大きく
ルームメイトのディーナは、まだ帰ってきていない。
朝食のあとで、ゲーム機の電源を入れる。キャロルの
「まさか」
金髪ロングヘアの少女は何かを考えて、何もしなかった。しばらく落ち着かない様子で、部屋の中を歩く。
体を動かして、歯磨きをした。
ひたすらレトロファイトの世界で戦い。昼前にランク19になる。
青い水玉模様のフリル付きシャツに青いロングスカート姿の少女は、すこし早めに昼食をとった。
しばらく何かを考えているようだった。それから歯磨き。
確認されるフレンドリスト。
キャロルが、フレンド
誰かが入室してきた。アサトというプレイヤー。お
1戦目。
相手は5
最初は
キャロルは、実力で相手を倒した。
2戦目。
不自然な
ビームシールドで
【今日の昼間、何をなさっていたのですか?】
【
キャロルは、素早い動きで次のメッセージを送る。
【アーケード版も、よくプレイされるのですか?】
少女は
【ライバルに負けないために、これから練習します】
届いたメッセージを、しばらく見つめていたキャロル。呟く。
「ライバルとは、どんな方なのでしょうか」
悩んで、メッセージを送る。
【応援していますわ。では、ごきげんよう】
相手から、すぐにメッセージがくる。
【ありがとうございます。ごきげんよう】
フレンド部屋が開かれていた。
入室し、戦ったキャロル。わずかに届かず、相手に勝ちを
【調子が悪いみたいだな。これはおれの勝ちにはならない】
というメッセージを受けた。
【いえ、あなたの実力です】
メッセージを送ったキャロル。体を動かし始めた。顔を赤くするまで運動して、世界でポイントを
もうすこしでランク20。そのとき、ディーナが部屋に戻ってきた。
「……ごきげんよう」
金髪ロングヘアの少女は、自分から
「ごきげんよう。お疲れですか?」
淡い茶色の髪の少女が、すこし心配そうな様子で聞いた。
「いいえ、きっと……ゲームをし過ぎただけですわ」
微笑むキャロル。
ランク20になった。それより上のランクはなかった。アップデートで色々と追加されるゲームもあるが、レトロファイトは
「以前よりも、キレが増していますわ」
ディーナは
「おそらく……わたくしより強い相手と、戦ったからですわ」
「キャロルよりも強い人など、存在するのですか?」
ディーナは、信じられないといった様子。
「ええ。世界は広いですわ。……わたくしも頑張らないと」
キャロルの目には
いつもどおりの
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