キーステージ
自分のことが分かったキャロル。だが、誰にも言えなかった。
言葉が出ない原因がよく分かっていない、
そう考えて、言わなかった。
兄はいつも優しい。父親はいつも気にかけてくれる。母親はいつも心配してくれる。
いくら優しく
伝えれば、
学校で、
ただし、悪いことをしたら遊べない。同級生が遊んでいる横で、勉強をすることになる。
緑色のチェックのワンピースに、緑色の上着姿。
女子生徒が遊んでいる。
ゲームに
(みなさん、わざと勝ちを
外では雪が降っていた。大雪だと休校の連絡が送られ、親たちが迎えに来ることになる。まだ、そこまで積もってはいない。
「きれいですわね」
舞い降りる雪を見ながら、ディーナが微笑んだ。
「ええ。本当に」
何を思ったのか、ディーナがキャロルを
「……」
そして何も言わなかった。
「……ありがとう」
キャロルは
この国では、5歳から7歳までの
7歳から11歳までの
キーステージ2までが、
キャロルにとっては、分かっていることのおさらいをする時間が多かった。
9月から12月が秋期。1月から4月が春期。4月から7月が夏期。
各学期の真ん中に、ハーフタームと呼ばれる一週間の休みがある。
また、その前後に
キャロルは、お人形のように
(ただ、黙っているだけで。本当はお喋りしたい)
春のお祭りで2週間ほど学校が休みになる。
真剣な競争が行われない
次の学年の準備として、新しい先生と過ごす日が
7月の終わりごろから6週間ほど夏休み。9月から
キャロルは、休みの大半を大きな家で過ごした。大きな湖を一望できる場所は町の中心部から離れていて、
父親と母親に連れられて、兄と一緒にほかの場所へ行くことがあった。自分から行きたいとは言わなかった。
それでも、
9月。キャロルはキーステージ2になった。
授業で
新しい教室には、絵が
自分の教室という感じに、ほっとしている生徒たち。
キャロルは不安そうな表情。
ほかの勉強はほぼ
(嬉しくて、でも、悲しい。自分のことを話せない、
教わったとおり話しているので、キャロルに問題はない。だが、クラスメイトはフォローしていた。
「ほかの勉強はできているのだから、恥ずかしくて話せないだけですわ」
と、言ってくれた。キャロルはまだ、誰にも自分のことを話せていなかった。
(自分の
11月の初めに花火が打ち上げられた。
1週間ほどあとの、
12月のお祭りが過ぎて、秋期の終わりになった。
午前中は普通に
キャロルは、ゲームをして過ごした。
生徒は
ディーナはキャロルに近付いて、何かを話した。キャロルも話した。笑顔だった。
春期は1月の初めごろから。冬休みの
休みを家族で過ごした生徒たちが、
年に二回ある、コスチュームの日がやってきた。
この国の
教室も、トピックに合わせて
この勉強のまとめとしてあるのが、コスチュームの日。今回は、生徒たちの親が呼ばれて
ウエディングの日だった。
生徒たちだけではなく、先生も
その中に、一際目立つ美しい
母親から微笑まれ、笑顔で返した。すると、なぜか
(
キャロルが、思いを言うことはなかった。ただ、
別の国の日で、東の
昔の時代の日に
そして、キーステージ2の終わりが
春のお祭りで、二週間ほど学校が休みになる。
7月になった。
キーステージ3は、11歳から14歳まで。キーステージ4は、14歳から16歳まで。両方合わせて
次の学校へ行く準備として、
新しい先生やクラスメイトに
「わたくしも、頑張らないといけませんわ」
テストのあとで、淡い茶色の髪の少女が
「……これからも、よろしくお願いしますね」
金髪ロングヘアの少女は言った。色々な言葉を飲み込んでいた。
ディーナが右手を差し出す。キャロルは、友人と
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