家族プロムナード

粘って粘って(私)

 部活の朝練の日は6:00発の電車に乗る。それでも朝食はきちんと取る。練習はかなりハードだから。


 私はバスケットボールのスポーツ推薦枠で進学した。当然部活はバスケ部だ。

 入学後すぐ私は実力の差を思い知って挫折した。

 県外から推薦枠に合格した生徒は、身長も高く瞬発力や動体視力も一流であった。才能の塊としか思えなかった。私は全くついていけず、毎晩ベッドに飛び込むと枕をしばきながら「バカバカバカ」と喚いて泣いた。練習をサボることもあった。

 ある時、母はベッドで暴れる私を宥めて言った。

「ほら、顔上げて。泣いてもいい。泣いてもいいけど、悔しいなら頑張らなきゃ」


 それから、私は弱音を言ったり泣いたりしながら練習に食らいつき、半年も経つと自分もレギュラーに選ばれるようになった。反対に、一流の才能を持つ仲間が何人か辞めていった。


 明日は朝練がある。絶対に遅れたくないから、目覚まし時計を五つも掛けた。


(390字)

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