家族プロムナード
粘って粘って(私)
部活の朝練の日は6:00発の電車に乗る。それでも朝食はきちんと取る。練習はかなりハードだから。
私はバスケットボールのスポーツ推薦枠で進学した。当然部活はバスケ部だ。
入学後すぐ私は実力の差を思い知って挫折した。
県外から推薦枠に合格した生徒は、身長も高く瞬発力や動体視力も一流であった。才能の塊としか思えなかった。私は全くついていけず、毎晩ベッドに飛び込むと枕をしばきながら「バカバカバカ」と喚いて泣いた。練習をサボることもあった。
ある時、母はベッドで暴れる私を宥めて言った。
「ほら、顔上げて。泣いてもいい。泣いてもいいけど、悔しいなら頑張らなきゃ」
それから、私は弱音を言ったり泣いたりしながら練習に食らいつき、半年も経つと自分もレギュラーに選ばれるようになった。反対に、一流の才能を持つ仲間が何人か辞めていった。
明日は朝練がある。絶対に遅れたくないから、目覚まし時計を五つも掛けた。
(390字)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます