2章 プロダクションへ

9話 新たな目標

ライブの反響は予想を超えるものだった。妹の学校じゃ知らない人はいない、地域のちょっとした有名人だ。

「ねえ、今度学校でライブやってもいい?」

妹が聞く。当然の流れだ。可愛い顔モードだ。しかし、難しい。

「こんど、夏休みにライブやるだろ?そのときにみんなに来てもらえよ。準備もあるし、勉強もあるし・・・」

そう、今回のライブのことは、もちろん親の耳にも入った。中間テストの成績が悪かった原因も、きっと察したことだろう。

「期末テストのあと、夏休み。それでいいんじゃないか?」

妹の学校は3学期制。テストのあととなれば、もちろん、親の許可は必須だ。しかし、親公認ということになれば、金銭的な余裕も出てくる、つまり、

「今度はイオンモールでライブだ!」

「やったぁ! がんばる!」

可愛いモードのヒナは、都合のいいことばかり口にする。今日も、「何を」がんばるかは明言しなかった。

「はぁ。頑張れ、よ?」


さて、俺にもやるべきことがある。

商業として、「起業」して、「プロダクション」を立ち上げる! しかし、俺は、自分で作ったTO DOリストをみて、ため息を我慢することはできなかった。

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