第25話 ルナの日記
今までの人生も今日で終わりです
私の楽しかった人生をこの日記に残しておこうと思います。
このスーパー美少女、神に愛され、女神にも愛された至高の女が。
まずはそうですね、やはりサンがクスと結婚したことでしょうか、すごく幸せそうです。
クスは知らないかもしれませんがサンはドラゴンの里のお姫様です、これでクスは勇者、魔王、ドラゴンをすべるこの世界の王になったと言っても過言ではありません。
サンは馬鹿なのでずっと伝えずに忘れているでしょうね、いつ教えるか迷いましたがこのまま黙っていてなにか事件が起きた時にサラッと教えて驚かすのがいいでしょう。
次に結婚したのはエルでした。
まぁでもこれは予想できましたね、エルの結婚式ではあのうるさい騎士が号泣し、クスと殴り合っていましたが誰も止めたりしませんでした、クスが圧勝して騎士を踏んでいましたがエルの母親も笑っていました、あの家族はなんなのでしょうか?
しかしあんな淫乱破廉恥歩く下ネタ女のどこがいいのでしょうか、おっと口が悪くなってしまいました、気をつけなくては
その次は猫でした。
なんだかんだ言っても一番クスと仲良しなのは猫なのかもしれませんね、メス猫の顔をしてます
子供は百人ほしいと言っていましたがやはりとんでもない馬鹿猫です。
最初はアイドル活動をするとかほざいてましたが結局そんな活動している所を私は見たことがありません。いつのまに婚活へとシフトチェンジしていたのでしょうか
しかし町の人たちが結婚式では大勢来ていたのでもしかしたら町のアイドルにはなれていたのかもしれません。
しょせんは泥棒猫でしたが
しかし、まさか妖精とまで結婚するとは思いませんでした。
聞いた話だとパルプンテでフェアを大きくし、ことに及んでいるのだとか。クスの性欲には驚きが隠せません
子供が生まれたらどうなるのでしょうか、小さい妖精が生まれるのか、それとも子供が生まれるまでずっと大きくして人間の大きさで生まれてくるのでしょうか。私の予想では羽の生えた人間になると思います、そして尻が光ったらほんとに笑います。
しょせんは蛍の特性のある羽虫ですからね、子供に罪はありませんが。
子供といえば……いえその前にアルですね。
あの子はクスに大変甘やかされています、ゲームがほしいと言えばすぐに買ってきたり、お腹が減ったと言えば常備している何種類かのお菓子を持っていき選ばせています。
たぶん源氏物語のように育てて大きくなったら結婚する気なのでしょう、私達は源氏物語計画と言って馬鹿にしていますが、おそらく実行するでしょう、だってクスですから
……もしかして生まれてきた子供すらも……
そう大事なのは子供です。サンとクスの間に子供が生まれました。
サンは馬鹿なのでコウノトリがどうのと言っていましたがなんの問題もなく生まれて良かったです。ドラゴンの屈強な体、パルプンテにも選ばれるだろう豪運をもっていると思います
石に躓いたと思ったら札束だったり、この子の指差す魔物に賭けたら大穴だったり、この子は私が育てようとしました、馬鹿な二人には任せておけませんからね、しかしなぜかみんな私が近づくと止めてきます。
なぜでしょうか、まともに知識があるのは私とエルくらいのものだと思います、大変遺憾です
あぁまだ書いていないことがありました。私の人生ももうすぐ終わりでしょう。
私はクスがサンをドラゴンキラーで刺してしまう瞬間に意識が戻っていました。
私もサンと話したかったです、しかし最後の時間はサンとクス、二人で過ごして欲しかったのです。
それにドラゴンキラーを出しのは私です、ドラゴンキラーはドラゴンの命を奪う呪いもありますが、逆にそれ以外のものを祓う効果もあります。クスならなんとかしてくれると言う確信もありましたからね。
予想通りサンは息を吹き返しました、サンもクスもパルプンテが起こした奇跡だとか抱き合って喜んでいましたがたぶん違います。
たぶんサンが飲み込んだというペンダントの効果でしょう、サンが息を引き取った瞬間に光っているのが見えました、クスがキョウトウの国で光ったのと同じ輝きです。二人は光る所を見たのが一回ずつだったので知らないでしょう。もちろんパルプンテがペンダントの発動率を上げた可能性は高いと思いますが、あの二人はそんなことまで考えないでしょう。
教えてあげようかとも思いましたが、サンたちが子供にドヤ顔で話している時に真実を教えるのが一番効果的だと思います。ふふふ、二人の顔が目に浮かびます。
……はぁこんな事を考えているから最後までクスは私の気持ちに気がつかなかったのでしょう、少し口が悪いだけで気持ちに気づかないなんて情けない男です。
でもそんな所も大好きですよ、クス
コンコン
ドアのノックされる音が聞こえました、私の人生もこれで終わりです
「ルナ、入るわよ?」
「はい」
サンが入ってきました
「似合ってるわよ、ルナ」
「あ、ありがとうございます」
これからクスとの結婚式です。私は日記を書くのをやめ、鏡を見ました
はぅぅぅ、こんなに恥ずかしいなんて思ってませんでした
そこには純白のドレスを纏った一人の女がいました。私は純白のドレスを引きずりながら会場に向かいます
今までの人生はこれで終わりです、これからは新しい人生を歩んでいきます。生きたいように生きてやるんです!
結婚式会場に着くと、教会の入口の前にクスがいました。クスに続くまっすぐな道は空けられ、道の両脇にはたくさんの人。私のことも祝ってくれているのでしょう。
私がクスのいる方へ一歩踏み出すとクスの声が聞こえました、たくさんの人たちにも聞こえる大きさです。なぜか股がスースーします
「これが! 『運とこの奇跡の魔法パルプンテ』の力だぁああああああ!」
クスが頭の上に作っていた両手の拳が開かれ、しましま柄のパンツが広げられています
あ、あれは私の……あのゴミクズ!
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
たくさんの人たちの歓声も聞こえます
「略して、運こだぁああああああああああああああああああああああ!」
これがクスの言う、生きたいように生きるってことですか! 最低です!
運とこの奇跡の魔法パルプンテ 幼女 @syana1287
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