第25話「審判の刻」
山頂は思ったよりも広く、そして平らだった。さも、ここで戦ってくださいと言わんばかりに開けている。ゲームのファイナルステージなれば当然かと、軽く周囲を見渡す
周囲には一つだけ、天に
――あれは何だろう?
疑問を
弱々しい陽光に
終わりと
その名をナレーションが読み上げたのは、緋瑪が初めて【ブライダリア】の土を踏んだ日のことだった。今は
ついに、ここまで来た……エンデウィルの切なる願いを、その祈りを
「正午、イベントクエスト開始までは間がある。丁度いい、少年」
静かに冒険者達を
緋瑪を隣に迎えて、【ロード・ブライダリア】は声を張り上げた。
「
マントを
「今の今まで、
時は来た――誰もが
瞬間、緋瑪は硬く大きな手で右腕を
その
「この【ブライダリア】で人々の
――【プレイシェアリング】を、悪用? 誰が……私が?
「この【ブライダリア】は、諸君が自由に世界観を構築し、改良し、そしてそれを共有し合う世界! その中で
一度【ロード・ブライダリア】が言葉を切ると、周囲の視線がエンデウィルに
「この杖は! 【プレイシェアリング】を結んだ数だけ力を増す武器! ……私が
【ロード・ブライダリア】は背の大剣へと手を伸べ、その
「残念だが、最後のイベント前に……この世界の根幹を
軽々と緋瑪は宙へ放り上げられた。同時に剣を両手で構えた【ロード・ブライダリア】が
「エンデウィル……何で? どうして――」
「【ロード・ブライダリア】ッ!
「【ロード・ブライダリア】! これは……これはっ、どういうことですか! セキトさんは不正プレイヤーなんかじゃない。今の現状は運営チームでも
ヒメが地を蹴って、
おとぎ話の姫君のように、緋瑪を抱いたヒメが叫ぶ。
「昨日、言ったじゃないですか。【エンシェントハング】の
周囲に駆け寄るサユキが不敵に笑う。
同時に、アルもまた表情を険しくしていた。
「ヒメ、つまり簡単なことよん? 【ロード・ブライダリア】は……GMは、運営チームに不具合を報告していないわ。何故かって? 答は一つしかないんじゃないかしらん?」
「【ロード・ブライダリア】、説明を求めるっ! もし仮に、セキト殿に
ざわめく冒険者達の中から、サユキとアルが躍り出していた。その手はもう、
緋瑪達は、このゲームのGMである【ロード・ブライダリア】と対峙する形になっていた。他の冒険者達は口々に疑問を言い合い、突然のことに混乱しながらも……最終決戦前の興奮も手伝って、無責任な声が飛び始める。
【エンシェントハング】だけが、ただ静かに人間達を見下ろし、イベントクエスト開始の瞬間を――
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