第20話「死せる都の不死身の守護竜」
頭上を巨大な翼が
「【ウィングレブナント】が現れた! マスター、ここのボスですっ! テラツヨスッ!」
全身から
「いこうっ、エンデウィル! ……自分から、動かなきゃ」
怯える自分を
「セキトさんっ、一人で突出しちゃダメだっ! ごめんアル、フォローを!」
「任せろ、友よ……フッ、まさか最終決戦前にコイツを使うことになるとはなっ!」
足を止め術式の構築に集中していた緋瑪は、回避不能の間合いでそれを見上げ
だが、目の前に割り込んだアルが、庇うように身を広げて絶叫する。
「おおお! アルディシオン――
緋瑪の前で、
「
左手に半身を覆うほどの大きな盾を構え、その影で緋瑪を守ってアルが叫ぶ。サユキもスカートを両手でつまんで走りながら、普段は見せぬ
「セキト殿、お怪我はないかな?
「こういう大型のモンスターは、とにかくまずは逃げ回るっ! まずはそこからよん?」
「は、はい……す、すす、すみません」
アルの影から転げるように、もつれる足で走り出す緋瑪。アルは続いて放たれた
「それにしてもアル、やるじゃないの。いつ作ったの? そのフルクロムシールド」
「聖盾アルディバイダーだ! ……苦労したのだ、何度強化に失敗して壊したことか。作るための素材を集め、強化の素材を集め、失敗した残骸を売り払い
「+5と+6の間に見えない壁があるよね、
必死で逃げ惑う緋瑪は、視界の
飛竜の
必死の緋瑪は、意識が追いつけない。
忙しく
「無理しないで、セキトくんっ! それより
「あ、はい……補助魔法? エンデウィル、補助魔法っていうのは……」
「攻撃を弾く
「えと、一番強い単体攻撃魔法、さっきの【ブレイズレイ】っていうの? それを覚えて、あとは全部」
「あとは全部? ま、まさか……」
「
「んんー、
エンデウィルの言葉を絶叫が
「今だっ! みんな、僕に続い――!?」
「待ってヒメ、やっぱ私が防御魔法
「なうっ!?
三人の連携が乱れて崩れたことを、無情にもエンデウィルが
「ヒメは【ウィングレブナント】に体術を使った! 【
全身の
「ちょーっち、
「それより友が! 一番
戦線が混乱する中、
全滅……緋瑪の
――ヒメが、危ないっ!
思わず固く瞳を閉じる緋瑪の耳を、救いの声が貫いた。
「
中空を駆ける
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