第18話「死せる都を征けば」
それは、今まで緋瑪が連れ回されたどこのダンジョンよりも広大だった。
【
だが、先を歩くヒメとサユキには、気負いも緊張も感じられない。
「えっ、じゃあ本当に
「大丈夫っ、安心して。テンション高いから、変動パラメーターの補正凄いわよん? さっき買い物がてら、朝御飯も食べてきたし。ハンバーガーショップって
今、この瞬間もモンスターが襲ってくるかもしれない。しかし、今この瞬間だけは【ブライダリア】の
古都の奥には、巨大な白い壁がどこまでも続いていた。それはいつも、ログインする度に見せられる【ブライダリア】の
「僕は……ほぼ毎日、買ってるかな。自分で食べる訳じゃないんだけど」
「ふーん、そうなんだ。アルは? ハンバーガーとか食べたりは……」
「
緋瑪と並んで歩くアルは、
アルのように、完全にゲームの登場人物になりきってしまうプレイヤーは、意外と多い。彼はそのことに強いこだわりを持ち、常に
「セキトくんは?」
「は、はい?」
世界を切り取り天まで届く、白い闇のカーテンを眺めていた緋瑪は、サユキの言葉で我に返った。気付けば少し距離が離れてしまい、うんうん
「その、ええと……行かない、です」
「え、行かないって」
「ファーストフード店、とか。苦手で」
正確には一度だけ、小学校の頃に行ったことがある。国内最大手のハンバーガーショップに。そこで緋瑪は「
「ふーん。セキトくんって結構、いい家の子? ま、その辺の
不意にサユキが足を止めた。と同時に、小脇に抱えた
同時に耳をつんざく絶叫で空気が
矢面に立つヒメとアルが、互いに声を掛け合いながら身構えた。
「滅びし
「アル、雑魚でも固いから! 小まめに【ステッチ】
それは赤い赤い、
「【ギルティグール】A、B、Cが現れた! 【スケルトンゴーレム】A、Bが現れた! ええと、その他沢山現れた! マスター、行きましょう!」
「うん。今日は、あの、【ステッチ】っての、やってみる!」
緋瑪はエンデウィルを構えると、中央突破を
「セキトくん、なにも難しいことじゃないわ……前衛の二人に合わせて、どんどん魔法撃っちゃって
「はいっ!」
仲間達が浮かべる魂の石と花へ、緋瑪の頭上から光が伸びて互いを
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