自殺志願の少女が支点になっているけれど、死を引き合いに出すことで生について書かれた作品のように感じた。死を望む罪よりも生を望む罪について。宗教はよくわからないので違うのかもしれないけれど、なんとなく原罪、という単語が浮かんだ。
「集団自殺」と「臓器移植」という二つの大きな社会問題に切り込んだ作品です。何故主人公は集団自殺を選んだのか? その理由を優しいタッチで描いています。そして臓器売買をする個性的な面々も、魅力の一つとなっています。彼らは「命のリユース」と言いますが、果たしてそれは倫理的に赦されるのか。そんな重い問いかけも孕んだ作者様の力作です。 是非、御一読ください。 この作品は、あなたの倫理感に直に問いかける物語です。