第7話 サイコパイロット②
俺は占い師から渡された万華鏡を覗いてみた。筒を回すと美しい模様がつぎつぎと現れた。
「なにも考えずに真ん中を見つめるんじゃ」
俺は言われたとうりに中心を見つめた。すると小さな惑星が見えてきた。
「なんと、小さな星が見えてきましたよ」
「そうじゃ、もっと意識を集中してみるのじゃ」
すると、どんどん惑星は拡大されて都市が表れ、奇怪な異星人が歩いているのが見えてきた。
俺は驚いて万華鏡から目を離し、占い師を見た。
「わかったじゃろう、おまえさんにはサイコパイロットの能力があるのじゃ。長距離テレポーテーションの依頼者があった時には、おまえさんに協力してほしい」
「・・・・」
「なに、テレポーテーションが成功した時には高額の報酬を渡すつもりじゃ。そこで相談じゃが、サイコパイロット協会の登録料とこの連絡用バッチの料金として三万円をいただきたい」
俺は占い師から古びた小さなバッチを渡された。金属製でやけに重たかった。一瞬迷ったが、三万円を払ってバッチを胸に着けた。
「兄さんありがとう、また連絡するよ」
俺は占い師と別れて早足で駅に向かった。
ビルの角を曲がった時、俺はふと考えた。
"なんでこんなホラ話を信じこんだんだろう“
俺は走って引き返したが、占い師の姿はなかった。
“騙された・・“
俺はバッチを投げ捨てて、また駅に歩いて行った。
バッチは転がって溝の中に落ちた。バッチから青い光が出てホログラムとなり、見たことのないような文字で書かれたプレートを映し出していた。
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