第6話 サイコパイロット①

 飲み会が終わった後、俺は裏路地を歩いていた。

「もしもし、そこのお兄さん」

 ふと振り返ると、顔相占いの小さな看板を出している老人が座っていた。

「占いならいらねえよ」

「ちょっと待ってくれ。あなたはたぐいまれな顔相をお持ちだ。ただで見させてくれないか」

 ほろ酔い気分で少し休みたかったので、俺は椅子に座ってしまった。

 老人は小さなライトで俺の顔を観察し始めた。さらに、瞳孔や手相まで調べていった。あまり入念にするので気持ちが悪かった。

「う~ん、やはり兄さんはただ者ではないな。あなたにはサイコパイロットの相がでておる!」

「サイコパイロット、何ですかそれは」

「簡単に言うと超能力の一種だな。遠くの何万光年も離れた星に行きたい時、ナビゲーションとテレポートを可能にする能力だ」

「ええっ!本当かい。でもよくわからないなぁ」

 俺はほろ酔い気分が覚めてしまった。

「信じられないかも知れないねえ。でも、最初に兄さんを一目見たときにハッとしたんだ。まあ、これを覗いて見てくれ」

老人は古びた万華鏡の筒を俺に渡してくれた。

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