第2話 時間移動は慎重に

「今度こそ」


K氏は改良したタイムマシンに乗り、ダイヤルを三十二年前にあわせた。周りの景色


が流れてゆがみはじめた。


「成功だ!」


その瞬間真っ暗になった。


ふと気がつくと小さな椅子にすわっていた。目の前の壁には


 1)時間旅行をしてはいけない。

 2)時間を密造してはいけない。

 3)時間を売買してはいけない。


と張り紙がしてあった。そして椅子のそばに黒スーツの男が立っていた。


「また君か。ここは時間監視院の取調室だ。時間移動者を取り締まっている。」


「皆がかってに過去へ時間移動すると、いろいろな未来が増えて困るんでね。君には


このあと我々の時空で暮らすか、もとの世界に戻るか選んでもらう」


K氏はもとに戻る書類に署名をすると意識を失った。タイムマシンの操縦席で目を覚


ますとつぶやいた。


「また失敗か。もういちど改良してやってみよう!」

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