お菓子作りの準備

「あ、半分こしよ! パンケーキも食べたいし」

美玲はフルーツポンチを食べなからそう言ってきた。

俺は、いいぞ。

って言ってパンケーキを食べる。

「うまっ。このパンケーキ、作ろうと思えば俺でも作れそうだな……」

あ、別にイキってる訳じゃなくて、本当に作れそうなんだよ。

「え……。慎一って料理できるの……」

美玲は信じられない。

みたいな顔で俺を見てくる。

驚きすぎだよ。

読者のみんなも、俺が料理できるのは知ってたよな……?

「俺、昔から出来たぞ? それこそ、中学の時の調理自習では俺の班だけクオリティが高かったし」

「嘘だッ! 初耳だよ……」

なんか今どこかのレナさんの声が聞こえたのは気のせいかな。

「んー、じゃあ俺が料理できるって明日証明してやるよ。俺の家でスイーツ作りしようぜ」

美玲は子供みたいに喜んでいる。

美玲の家は隣だから時間はあんまり気にしなくていいから楽だ。

それに、明日からは親が旅行でしばらく帰ってこないし。



6月11日水曜日。

昨日から学校では保護者面談なので、3時間で学校が終わる。

俺の親は昨日だったらしい。

美玲の親も同じく。



学校が終わったので美玲と近所のスーパーに来た。

カートを押している美玲にこんなことを聞いてみた。

「スイーツだと何が一番好き? 」

もちろん、俺は彼女の好きなスイーツぐらい知っている。

だって幼なじみだもん。

だからこれは愚問なのだ。

でも、読者のために聞かねばならないから聞いてみたのだ。

「んーと、和菓子だとくず切り。洋菓子はケーキかな? 」

ケーキが好きなのは知っていたが、くず切りも好きだなんて知らなかった。

読者のみんな、ありがとう。

「よし、じゃあケーキ作ろうか! 」

美玲は、すご。

その一言だけを言って固まっていた。

この時期に使えるフルーツ……。

んー……。

なんかぱっとしないなぁ。

「美玲、ケーキの材料を調達するぞ」

「イエッサー! 」

小麦粉、粉ゼラチン、グラニュー糖と粉寒天。

ブラウンシュガー、粉砂糖、シナモン、ホットケーキミックスとかとか。

色々買って家に帰ってきた。



家に帰る途中、たくさん話をした。

何の話をしたのかはあんまり覚えていない。

好きな子と話すのは、かなり緊張するから勢いで話してしまった。

でも、彼女の片恋相手についての話だけは避けたのは覚えているぞ。



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