金木犀と柿のへたは同じ形


花は私の文字の肥料になる。

彼女たちは筆を持つ事も、液晶に向かうこともないからね。

そして、肥料になっているお礼に、私は彼女たちを描く役目がある。


花にはできて、私にはできない。

花にできなくて、私にできる。


肥料と言っても、彼女たちはモデルになる

だけなんだ。


時より見せる、儚げな表情も。

時より見せる、力強い表現も。


私はただ、感じた想いを言葉で埋めるだけ。

その全ては伝えきれない事が、悔しくて、泣き出して、彼女たちに慰められることだってある。

これじゃあ書き手失格だ、なんて嘆くと、肥料にされた花が歌を唄ってくれる。


私にできて、花にできないこと。

私にできなくて、花にできること。


囁かれながら歌声を発し、いつの間に涙は拭かれていた。

私は、今の気持ちすら言葉にすることができる。

感じる全てのことも、肥料とし、文章を綴ってく。


花は私の文字の、肥料となる、また別の花を咲かせる。

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