異性 同性 林檎のせい

虚しくも、世界は混沌に包まれる

口紅が洗面台に落ちるように

マスカラが涙で流れるように


ネットで写真が飛び交った

美しい中華の伝統衣装を着た者だった

彼女、否や、彼

世は性別を間違えたと騒いだとさ


社会は性別を二つしかないと思ってる

「女」 「男」 

その間もなく、どちらでもないものもなく

ただ、それ以外を一緒くたにする

「異端者たち」または「精神病持ち」


私は、小さい頃から男の子たちと一緒に居たかった。

一緒にカードゲームをしたり、遊びに行ったり。

私は、よく男の子と間違われていた。

でも、成長するにつれ、難しくなって行った。


仲良くなりたかった男の子に「声が変」だと言われた時があった。

よく、気分で声の高さが変わるからだ。

今も同じで、気分や、他人に対する態度で変わる。

現在では、自分で変えられたが、幼い頃はやり方がわからなかった。

そう、声で近寄れなかった。


それ以外にも、ただ単に「女の子」だったからでもあった。

女の子は女の子とつるみ、男の子は男の子と一緒にいる。

先生が混ぜてチームを作りなさいって行っても、チーム内で別れる。

なんだか、その区切りが嫌いだった。


中学生の時、私はアニメやボカロが好きになった。

でも、同じクラスには好きな女の子がいなかった。

知っているのは男の子たちだけ。だから、近寄った。

でも、それでもあんまり話しかけられなかった。

話しかけられても、相手側が壁を作った。


お母さんはよく私に「女の子らしくいなさい」と怒る。

ほんというと、今もよく言われる。

どうしてだろう。

スカートを履いたり、ワンピースを着たり、そのほかモロモロ。

なぜだろうね。ジーンズを履いて、遊びに行きたいのに。


この前、外へ出た。

斜めに肩にかけるカバンを持って、街を歩く。

服は体にピッタリとまではいかなかったけど、ダボっとはしていなかった。

だからかな、胸と胸の間にストラップが食い込む。

ちょうど谷間のところに。そのせいで、おじさんにガン見をされた。

気持ち悪い。


学校の女の子たちの話を聞いたり、色々なところで見たりする(アニメ等)

そうすると、胸が比較的小さい子達は

「おっぱいもっと大きくなってほしい」

なんて、自分の胸を見ながら呟く。

何を言っているのか、私には理解し難かった。

私は逆に、胸なんていらないと思っているから。

大きくなっても、メリットがあるようには見えなかったから。


私は、小さい時から男になりたいと願っていた。

なぜだろうね。

今になっては、よくわからなくなってきた。

そもそも、性別の違いってなんだろうと悩むようになった。

ただ、性行為の位置が違うだけ。

産める体か、産ませる体か。つまらない。


わからないな。

もう、全部りんごのせいにする。

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