怖かったとしか、覚えていない
今日、住んでいるところに雹が降った。
雷の大砲を鳴らしながら、氷が降ってきた。
初めての体験だった。そんな日に限って、一人でした。
母は、私を一週間ほど置いてきぼりにして、大っ嫌いな人の元へ行くのです。
そんな母に、私は泣きながら「氷が降ってきた」と電話をしました。
母は「何を言ってるのか、さっぱりわからない」と言いました。
私はパニックになりながら、写真を送ってあげました。
「ああ、そんなことね」と平然と返事をして、
「泣くな! もっと強くいなさい!」と怒り始めました。
正直言うと、私は母になんか電話はしたくありませんでした。
それでもしたのは、
言われるはずのない「大丈夫?」と言う声を聞くためでした。
「もう切っていい? お願いだから、もう切る。切らせて」
「私はあなたにニュースで現象のことを見せたり、話したりしたじゃない」
「切らせて」
「もっと強くいなさい! 弱いんだよ、あんたは!」
「わかった。もう切る」
わからない。
その時は、怖いという気持ちだけで動いたの。
一人で、雷が鳴り始めた時から怖かったのに、氷なんて降ってきたの。
そうすればいいのかわからなくて、ソファーの端っこの方でうずくまってたの。
友達にラインを送った。怖いって、氷が降ってきたって。
そうしたら、ここにいるからって答えてくれた。ありがとう。大好きだよ。
母に電話なんかするべきじゃなかったって思ってる。怖かった。
わからない。わからないの。
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