第3話 餓鬼
黒猫の主の第一声は、「嫌です。」だった。
その場の空気は、最悪だった。動揺でざわついていた場が、一瞬にして静かになった。
彼女は、黒猫の主まで大股で歩いった。その時、うつむいた彼女がどんな顔をしていたのかは誰にもわからなかった。
彼の目の前で止まると、、彼女は胸ぐらをつかみ泣きながらこう言った。
「じゃあ、なんで、どうして。警察官になんてなろうとおもったの?あの時の自分が許せなかったから、大切な人をもう失いたくないからなんじゃないの?現実から目を背けんな、逃げんな!」
こんなくそ餓鬼に何がわかる。俺の痛みが悲しみが、、、。
「冗談ですよ。急ぎましょ。」
と押し殺した殺意と笑い声を込めて笑顔で言った。
黒猫の主の運転で彼女の乗ったパトカーは、現場まで走った。
車内での会話はなく、彼女は警視庁特殊捜査班のジャンパーを制服の上にまとい、捜査を行えるよう準備を行っていた。
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