第2話

「体育祭」


体育祭前日、伝言係と自分たちの衣装を作ってくれたりしたことに対して彼女に感謝のLINEを送った。そのあと、体育祭とは関係ないことを話したり、明日の髪型だのなんだのと話しをしていた。


体育祭当日、僕は彼女のことなどほとんど頭になく楽しみまくった。自分の競技が終わり、待機場所へ戻る途中でグラウンドで目立った髪型の女の子の集団を見て昨日のLINEを思い出した。「あ、これのことだったのか」と頭に御団子2つのミッキーみたいなのを見ながら思った。


体育祭後、家に帰ってLINEをしてミッキーの髪型の人達を見たと伝えた。話が弾み自然とどんどん彼女にひかれていくを感じた。


「気持ちの芽生え」

体育祭が終わって進路について真剣に考え始めた。僕は海外に住んでいたことがあり、帰国子女枠という枠で受験することが可能だったので、その制度を使うことにした。帰国子女枠の受験は12月と少し周りの人とは違った。なんとなく毎日それなりに勉強をするような毎日を送っていた。彼女とのLINEもそれなりに続いていて、あまり頭が良くない彼女は、勉強教えに来てくださいとLINEが来た。最初嘘かなと思っていたが、結構本気だったらしく家を教えてもらい、塾帰りに初めて家に行った。いざ家まで行くとやはり緊張して、その日は何か適当な理由で逃げ出して改めて行く約束をした。次第に毎日のLINEも楽しくなっていき家に行くこともできた。勉強をするという目的だったのだが、少しだけやったらゲームをしたりして、楽しんだ。もうこの時完全に「好き」という気持ちが芽生えていた。


その後も受験勉強をしながらも、彼女の家に何度も通うようになっていた。一緒にいる時間が気持ちを膨らませて自分でも抑えられなくなっていた。僕はこの受験シーズン真っ只中で恋をしてしまったのだ。僕は気持ちをつたえた。すると彼女もそれに応えてくれたが、僕のことを思ってくれて受験が終わったら付き合おうと言ってくれた。12月に受ける学校は自分でも受かったらラッキーというレベルで、落ちてもぜんぜん仕方がないと思っていた。なので落ちたというのも嫌で、12月の受験は黙っていた。僕は学校で学年は違うが彼女とは同じ階の教室だったので毎日ちらっと見ていた。受験の日、いつもと変わらずおはようと言って普段通りにLINEのやり取りをしていた。試験が終わり、LINEを見ると、「今日なんできてないの?」と来ていたが、落ちたら恥ずかしいのと試験でぼろぼろにされたメンタルのせいか、素っ気なく「なんにもない」と返してしまった。「隠さないで」と来たが言わなかった。彼女はその時は少し悲しんでいるように思えた。案の定試験に落ちた。悔しくもない。勉強もまともにせずに楽しい時間を選択していたのだから当然のことだ。


クリスマス


クリスマスは彼女の家に行った。たくさん悩んで買ったプレゼントを渡すと本当に喜んでくれた。彼女も何か青い大きな袋を持って来てくれてびっくりして中を見た。初めての恋人からのプレゼント。嬉しすぎた。その日はゆっくり映画を2人でみた。いっぱいキスもした。好きがどんどん増して行くのがわかった。帰る前にもうそろそろ受験勉強を本格的にやらないといけないなと考えていたので、受験終わるまで会うのをやめようと思った。中2の彼女は、あまり受験に対してまだあまり考えもなかったので、少し嫌そうな顔をしたが、毎日連絡をしっかり取ると約束した。


受験


僕が次に受けたのは男子校だ。彼女が、僕が進路について話してる時「高校なんかいっぱいかわいい子いるから心配〜」と行って来たのでそうしようと思った。先のこと(わかれること)を考えずに決めてしまった。今考えれば本当にアホだったと思うし今の男まみれの生活もしなくても良かったのにと思う。

受験はようやく終わり、無事に合格することができた。合格の通知は1番先に彼女に伝えた。自分の事のように喜んでくれた。待っていてくれた彼女に本当に感謝感謝感謝でいっぱいだった。そして、しっかりともう一度気持ちを伝えて、付き合い始めた。


合格祝いとして彼女の父が映画に連れて行ってくれた。当時、ファッションにも興味がなく、多分今思えば絶対着ないだろうなという感じの服を着て行った。2人でどこかに行くのは地味に初めてで、楽しかった。最高の一日だった。

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