実は、一番
ケイが家族で朝食を終え、歯も磨き終わったあと。
地味な普段着で、少女達の友情を
すこしあとに誰かが
「ごめん。来ちゃった」
サツキは、柔らかな生地のパーカー姿。特にすることもなくて、一緒におしゃべりしたかったらしい。
やはり、そこは地下である。地下街の店の外まで服が並ぶ。
並んでいるものは、どれもかわいらしい。時間が早いためか、姿のないほかの客。
「……」
ケイは何も言わなかった。ごくり、と
先に仕掛けた。すこし赤い顔で店に入り、乱れた呼吸を整えた。
「はい」
サツキが服を持ってきた。ケイはじっと見つめ、小さく頷く。
二人は、フィッティングルームへ向かう。
服を持って中に入り、マスクを外したケイ。カーテンが閉められる。しばしの
カーテンが開いた。
白いシャツには、わずかに薄紫のフリル。大きなリボンのついた、紺色のギンガムチェックスカートがよく似合う。
可愛らしい少女が、長い髪を
リボンはあまり目立たない。ブラウンのカーディガンを羽織っている。
「……」
ケイは何も言わなかった。
「はい、似合う」
サツキはまたも、ポーズを取ることを要求。拒否してカーテンを閉めたケイ。
着替えて、マスクをして出てくる。服を購入した。
地上に現れたときには、すっかり普段のテンション。並んで道を歩く。
ケイの家に入る二人。
今日は父親もいた。髪は普通の長さ。ケイの母親に服を見せる。
「うん。いいわね」
笑顔になる様子を見て、全員が笑顔になった。
父親は黙っていた。娘に
ケイの部屋に入った二人。
直接的にはゲームの話をしない。アサトやマユミ、ヨウサクやロクミチ、ホノリやユズサの話をした。
学校のことや、
ケイは、友人が帰るときに
昼が過ぎ、深まる夜。
ケイは、レトロファイトでフレンドの部屋に入る。同じ
普段より、
ケイは、
教室へ着くと、すでに
マスクを外して微笑む。ミドルヘアのサツキと
優しいホノリと自由なユズサが加わって、
やんちゃなヨウサクとおとなしいロクミチもやってきて、話は盛り上がる。
先生の授業が終わり、
「結構強くなったぜ、オレ」
「そうだね。ボクよりは強いかも」
ヨウサクが
「四人の中で一番強いのか?」
「えっと、実はね」
ホノリが言うのをためらっている。
「実は、一番」
ユズサがピースしながら言った。
それじゃ二番じゃね? とは言わなかったケイ。
自宅。食事と歯磨き、
ケイは、ゲーム機の電源を入れる。レトロファイトを起動。
ヨウサクたち四人の内で、部屋を開いている人がいれば入室。
四人があの頃のアサトより強いのかは、分からなかった。
ケイは
教室の前でマスクを外し、教室の中でサツキと会う。
「おはよう」
同時に言った。
ケイは席につき、当たり前の一日が過ぎていった。
授業が終わり、
「実は、残念なお知らせが」
ケイが、
「アサトがメンバーに選ばれました!」
ケイは
「さすがだぜ」
「そうだね。妥当だね」
「おめでとう、って言わないとね」
「マユミさんのほうがよかった」
ツインテールのユズサは、自分の気持ちに正直でした。
サツキが
「うーん。もう、誰か選ばれることはないのかな?」
「あとは欠員が出た場合の
長い黒髪を揺らして、ケイは謝った。
「気にするな。オレたちが弱いのが悪い」
ヨウサクが表情を緩ませた。
「ちょっと。みんな弱いみたいな言い方は、どうかと思うよ」
ロクミチが慌てて、みんなで笑った。
夜。ケイの家。
レトロファイトをプレイ中。今日も四人の部屋に入室し、
そのあと、
休憩のときに、誰かにメッセージを送っていた。
ケイは、父親と同時に家を出た。父親は左へ。ケイは右へ向かう。
教室に着くと、
サツキと
今日は
ケイは
夜。
髪を乾かして、パジャマ姿になったケイ。
自室に戻る。TVに、レトロファイトが映し出された。フレンドが開いている部屋に次々と入り、繰り返されるバトル。
メッセージをやり取りし、楽しい時間を過ごした。
しばらく世界で色々な
教室では、
マスクを外したケイが、サツキと
おはようと言って、ホノリとユズサが加わる。
ヨウサクとロクミチもやってきて、
勉強が終わり、
自室でレトロファイトを起動するケイ。
赤色のボニーと戦いを終えた。フレンドの何人かが、
ホテルの名前と場所を教えてもらう、長い黒髪の少女。
「面白くなってきたな」
「もしもし?」
『何してたの?』
「ゲーム」
『夜更かししちゃダメだよ』
「うん」
『眠いの?』
「そういうわけじゃないけどさ、何話していいか分からないんだよ」
ケイは、まだ
『普段どおりでいいのに』
「あ。そういえばさ、明日、
『新しい服?』
「いや。世界のフレンドが、こっちに何人か来てるらしくて。顔見にいこうかと思うんだよ」
『わたし、
「一応、
『わかった。じゃぁ、また明日ね。おやすみ』
「おやすみ」
ケイは
普段着のケイが家族で食事を終え、父親が出発。
歯も磨き終わった。
「こんにちは」
サツキがやってきた。
「いつでもいいとは言ったけど、早くないか?」
読みが外れたようで、ケイは
「だって、こっちにいられる時間は限られてるんでしょ? なら、早いほうがいいよ」
「さっさと行くか」
部屋から出たケイに、お
「外で食べてきても、いいのよ」
「そんなに、時間かかるかな」
悩んでいる。長い髪は揺れない。
「フレンドの人、たくさんいるんでしょ? 時間かかるよ」
ミドルヘアが
洗面所から取り出される、歯ブラシとコップ。部屋から肩掛け鞄を持ち出した。
可愛い服の少女が質問する。
「その服でいいの?」
「いいよ、これで」
地味な服の少女は
家を出た二人は、灰色の
すぐに、
会場となる
川と並行している道を歩く。川のほとりには、木々が立ち並んでいる。
ケイが重要なことに気付く。
「しまった。予約的な何かを取ってないぞ」
「フレンドの人を見つけて、なんとかする、とか?」
「
ホテルの中に入っていった。
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