世界に小さな粒子が漂っている
のんびりとくつろいだあとに、歯磨きと入浴を終える。
長い髪を乾かした、パジャマ姿のケイ。
自室で一度大きく
「ナイナとも同じ
世界でのポイント
ケイは調子に乗って、マントのような
背中の左右と両肩の
ケイの
「さすがに、ロマン武器をメインで使うと、勝てなそうだな」
ひたすら勝利を重ね、ランク17になった。
何戦か同じ
次の相手は、ランク18。プレイヤー名はフリードリヒ。ステージは平原を選択。
試合開始。
ケイは、ライトタイプにマントのような
相手もライトタイプ。黒い
「ヤバイな。こんな
言い終わらないうちに、フリードリヒは
「色変えた意味、ないだろ、それ!」
直進してきた相手に、肩と背中の
相手は、何発か
2戦目。今度は、ケイが
ほぼ同時に相手もパージした。
「お見通しかよ。最初のは試したんだな。めったに使われないからな、この
ケイのナイフ攻撃は、相手が一瞬使ったビームシールドに
「ちくしょう。
攻め手を欠くケイ。フリードリヒの手数に負け、
3戦目。
ケイは
「来いよ。さあ」
相手は
「パージ戦法に
ケイは、戦闘終了後の画面でメッセージを作成。フレンド申請した。
【マントは何も着ていない相手に強いですね。今度は同じ
知らない人が見ると、
相手の名前はフリードリヒ。かなり短い髪で、ニヒルな笑みを浮かべた男性のアバター。
【いや。おれの動きが悪かっただけだ。また頼むよ】
ケイのフレンドは六人になった。
さすがに戦い疲れたかと思いきや、ケイはさらにポイントを
今度は、背中の左右両方の
「さすがに、これで
あくびのあとで、電源が落とされるゲーム機。肩をぐるぐると回す。運動を始めた。あまり力が入っていない。目がしょぼしょぼしてきた十代前半の少女。
父親が帰る前に
朝早く起きたケイは、
台所で朝の
朝食を作る母親を途中から見た。
食事のあと、
すこし家を出るのが早かったようだ。教室にサツキはいなかった。
ケイはマスクを外した。机の上にべったりと上半身をつけ、うつろな目をしていた。長い髪が机から垂れ下がっている。
「おはよう」
声が聞こえた。ケイは、びくんと動く。椅子が鳴った。
「おはよう」
ぱっちりとした目のサツキに
「夜に何かあった?」
サツキが心配そうな顔で席につき、
「いや。強い相手と戦って疲れただけ。世界は広いね」
「でも、勝っちゃうんだよね」
ミドルヘアの少女が、楽しそうに声を
「うーん。互角ぐらいだと思うけど。運が良かっただけで」
「わたしもね、ちょっとは上達したかも」
サツキが自信をのぞかせた。ケイはすぐ聞く。
「フレンド戦、やってるの?」
「そう。マユミさんもね、強くなってるよ」
腕組みをしたケイ。
「アサトは、ちゃんとやってくれてるか。そうか」
「うん。さすが
「ちゃんと、5
嬉しそうに言うケイを見て、サツキも嬉しそうな顔になる。
「やってるよ。しかも何か、色々試しながら戦ってる」
「
ケイは
並んでお弁当を食べるサツキから、
「元気ないんじゃない?」
と言われるケイ。普段と変わらないテンションで
すこし背の低いケイは、マスクをした。門まで一緒に歩く二人。
「またね』
と言い合って、別々の
家に帰り、マスクを外す。
「まあいいか」
普段着に着替えた。
レトロファイトを起動して、フレンドリストを見る。
ナイナがオンラインで、部屋を開いていた。すぐに入室許可を申請。
許可が
腕をミドルで、胴と
試合開始。平原になった。
トラップを設置し、
相手がデコイを使った瞬間に、ケイは
デコイが
少女がにやりと笑う。相手は、
「ここだな!」
最初の一発がデコイを
お
ナイナは、
「やったぜ。いや、単に相手のミスだな」
2戦目。開幕。
ケイが笑う。続く読み合いと差し合い。
銀色の相手のデコイを絡めた
読みが当たり、ケイの勝利。ナイナは
「戦いの中で成長しやがって。強すぎるだろ」
ケイは心から笑った。
戦闘終了時の画面。金髪少女のアバターからメッセージが届く。
【
ケイは
「ヤバイ。
悩んだケイはメッセージを送った。
【できないよりは、色々できたほうが、いいからね。
もっともらしいことを書いていた。画面を閉じて、
台所で、ケイが
父親が何かを持って帰ってきた。
「ちょっと重かったな。
「早いね。忘れ物?」
ケイが廊下に出て、出迎えた。家族三人がフローリングの廊下に立つ。
「いや。帰ってきた。これを持ってね。
父親が箱から中身を取り出す。白い
「
「いや、いい。政府は公表していないが、世界に小さな
「組み立てるほうの仕事かと思ってた」
娘は、それだけ言った。
三十代の母親は腰に手を当て、すこし口を
「ほら。ツネハル、言わないから、分からないじゃない」
「そうだな。リョウコ」
三十代の父親は照れ臭そうにして、話を続ける。
「
大きく
「ついでに、マスクも
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