でも、まさかこんな可愛い子が
ゲームセンターの
「何か、すごい見られてないか? 分かった! サツキが
「ちょっと。違うよ。ケイが強いから」
本気で
「もうすぐ、次の
マユミは
「一応、さっきのが
参加者は八人。そのうち、Aブロックの一人が決まった。Bブロックで残っているのは二人。
銀色の
ステージは平原。
5番のプレイヤーが選択したロボットは、全身ライト。7番のプレイヤーは、全身ミドル。
薄い灰色を
5番が、いきなり両腕の
7番は
「ああ、そうか」
ケイが言った。
5番は右腕をミドルに
ビームナイフを構えた7番に対して、ビームナイフでカウンターを入れる5番。
「ごめん。すっかり忘れてた。アサト」
ケイのすぐ
2戦目も、終始5番のペース。あっけなく
「おい。そこの小学生。ケイさんと、どういう関係なんだ」
5番の少年は、ケイに向かって言った。
短髪でグレーのワイシャツ姿。
「え? どういう――」
言いかけたサツキを制して、ケイが
「小学生じゃないけど、それはまあいいや。
ステージは荒野。5番の少年が選択したロボットは、全身ライトタイプ。
ケイの選択したロボットも、全身ライトタイプ。
ケイが、相手の
ブーストに左腕のエネルギーを回して、延長使用して回避したケイ。
ケイは、
「
2戦目。前と違って相手の動きに乱れはない。
だが、
ケイはノーダメージで
「優勝は2番。ケイさんです」
「そこで名前を言っちゃあ、ネタバレよ」
「アサト、お前、アバターに似すぎだろ。変えろよ」
短髪の少年が言葉を返す。
「戦ってみて分かった。間違いなくケイさんだ。でも、まさかこんな
言葉を途中で
「お前の目は
「ごめんなさい。こんな
「いやいや。怒ってないし。ケイも、もういいから」
恥ずかしそうにする、
すこし離れた壁際から近付いてきた、ショートヘアの少女が口を開く。
「話は、まとまりましたか?」
「こんな
姿を見たアサトが、すぐさま話しかけた。
マユミは、何のことか分からない様子。
「誰でもいいのかよ、お前」
ケイは人生で初かもしれない、やれやれといった表情を見せました。
聞いていた以上に小さな大会だった。
予想より早く終わって、これからどうしようかと話をする、ケイとサツキ。
「よかったら、フレンドになりませんか?」
つり
「はい。お願いします。サツキさんも一緒に」
「アサトお前、この
ケイも
グレーのワイシャツ姿のアサトは、
「全員、ここから遠いところに住んでるんでしょ? なら別にいいんじゃない?」
ケイとのメッセージのやり取りを信じていて、遠い所に住んでいると思っているらしい。
「どうする?」
「いいっていうか。わたしとケイが住んでるのって、この――」
「うわあああああああ。マユミはいいとして、アサトに知られたら困るぞ。
突然叫んで、サツキの言葉をかき消したケイ。
何かを
「僕が住んでるのは、ここから結構北西のあたりだから。心配しなくていいと思うけど」
マユミが反応する。
「奇遇ですね。私も北西のほうに――」
「うわあああああああ。何言ってんだよ。ポロポロと情報流すなよ」
またも突然叫んで、今度はマユミの言葉をかき消すケイ。息が荒くなっている。ふと、何かを思いついたようだ。
「そうだ。
アサトがすぐに答える。
「なるほど。では行きましょう」
「お前はもう登録してるだろ!」
ボサボサな髪のケイは、ぜいぜいと肩で息をしていた。心配そうに声をかける、天使のようなサツキ。
「ダメだよ、無理しちゃ。休んだほうがいいよ」
「無茶でも、やらないといけないときがある!
「ダメ。休むって言うまで離さない」
サツキは、
じょじょに呼吸が落ち着いてきた、すこし背の低いケイ。小声で
「分かったよ」
そのあと、すっかり落ち着いたケイがマスクをする。
マユミとアサトには、サツキから
「ごめん。こんなことになるなんて」
「気にするな。言ってなかった
柔らかい口調だった。ゲームセンターの外へ向かおうとする。
アサトが立ち止まっていることに気付き、声をかけた。
「お前も来るんだよ」
すこし歩き、正面に海が見える場所を右に曲がる。
大通りに出た。道を
四人は、ケイの家までやってきた。鍵を開けるケイ。
「ただいまー」
「おじゃましまーす」
「お
「おじゃまします」
ケイは
すぐに、お
「早かったわね、ケイ。こんにちは。学校のお友達?」
こんにちはと言う三人のあとに、ケイが話す。
「さっき会ったばっかりだけど、ゲームで戦ったらもう友達」
もっともらしい理由に納得した様子の母親。微笑む。
「それじゃあ、お昼用意しないとね」
マユミが口を開いた。
「いえ。いきなりお
「食べずに行く用事が、何かあるのか?」
ケイの問いに、誰も何も言わなかった。
「準備するわね」
母親のあとにケイも続く。
「よし。決まりだ」
四人はケイの部屋に入った。
床はフローリング。左手に
部屋の奥には窓。カーテンは開いている。
窓の右側に、PCが置かれた机と、椅子。左側にはTVと、並ぶゲーム機。壁のうしろはクローゼット。一番手前の取っ手には、カレンダーが
「これが、天才の部屋か」
グレーのワイシャツ姿のアサト。
「
「座るところが、ベッドしかないじゃん。
地味な服のケイは部屋から出ていき、すぐに
「ありがとう」
花柄ワンピースの上に黄色い長袖シャツを着たサツキが、一番に
ケイが、
そのあいだに、ゲーム機の電源を入れるケイ。マユミのIDを入力して、フレンド申請を出した。
つり
「百人くらいフレンドがいて、いつも対戦しているのかと思っていました」
「確かに、強い
ケイはにやにやしていた。
「フレンドは、ゲームごとに変えてるんだって。じゃなくて、アカウントごと? だっけ」
サツキがケイのフォローをする。
「なるほど。まあ面倒だからね。人間関係が」
知ったような口を
「よし。二人と戦う時は、必ず反確行動を5回やれ、一戦で。アサト」
「5回って、全部、
アサトの言う
「だからいいんだろ。練習になる」
短髪のアサトは、観念したようで真面目に言う。
「分かった」
そのあと、ケイがレトロファイトをプレイ。いつものポイント
やっぱり国産ゲームはロマンが分かってるな。パージ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます