よかったら参加しませんか?
レトロファイトを起動。フレンドの状態を確認すると、アサトがフレンド
時間がかかることを想定してか、ストレッチをしている。すぐに許可が下りた。
2時間後。
「レベル上がってるじゃん」
最初の10戦、ケイは負けなかった。次の10戦は7対3。アサトは、
「そろそろ、
【やるじゃないか少年。おじさん抜かれてしまいそうだなぁ。はっはっはっ。仕事が忙しくて、あまりプレイできていないのだ】
「送信、と」
しばらくして、長文が届いた。
【
「お前、ライバル呼んでどうするんだよ。黙っとけば勝てるだろ」
「土曜か」
【よーし。おじさん、
「これで送って、忘れないように、メモっとかないとな」
メッセージのやり取りを終え、
帰宅していた父親にカレンダーを
教室に入ると、すでにサツキは席に座っていた。ケイの姿に
「おはよう!」
「おはよう。昨日は早めに寝た?」
「えへへ。ゲームする時間を決めたから、大丈夫」
一番うしろの、一番廊下に近い席のサツキ。
それを見て、隣の席のケイは、すこし廊下側に
「土曜日、
机の上に出した両手をいじりながら、ケイは言った。
「うん。学校休みだから、朝から。あ! ひょっとして、
身を乗り出し、流れるようなミドルヘアを
対して、あまりまとまっていない長い髪のケイ。すこし困った顔で返事をする。
「いや。駅前のゲーセンで大会があって。っていっても、賞品とか出ない小さいやつだから、あんまり人いないと思うし。それでよかったら――」
「うん。行こう」
「一緒に行って欲しいなって、マジで?」
すこし早口で説明していたケイに、即答したサツキ。信じられないといった様子のケイを見て笑ったあと、言う。
「マジでございます!」
サツキは用事があるということで、今日は、どちらの家に行くということもなかった。
ケイは帰宅した。
マスクを外し着替えると、暇そうにベッドの上でごろごろしていた。
起き上がり、何かを思いついた様子でゲーム機の電源を入れる。レトロファイトを
指が素早く動く。コントローラーは正確に操作されている。
開幕。ケイがパージしたところに、相手の左肩から放たれた
右にすこし移動したあと、逆方向にブーストをかけて
「これに当たっちゃうか」
右手のビームナイフで攻撃してくる相手。
機体の
ライトタイプの右腕で威力が高い
それを読んだのか、相手は
「と思うよな」
ケイは左肩の
すぐに、ブーストで
ミサイルの命中と同時に、うしろから、
「やっぱ、アサトと同じぐらい強い奴はいないな。もっと上にいかないと
ケイはポイントを
ランク9までは、国内の相手としかマッチングしない。ランク10になると、戦う相手を、国内か海外を含めた全体かで選べるようになる。
「本当の戦いはこれからだ!」
ケイは、
「でも、ラグいと困るからな。
ぶつぶつと
夕食。
ご飯に肉じゃが、豆腐のきのこあんかけというメニューで、肉じゃがのいい匂いが
「
と言う父親に、母親が笑顔で答える。
「ありがとう」
「リョウコの作る料理で、
「もう、ツネハルったら」
という会話に興味がなさそうなケイは、牛乳を飲んでいる。
「確かに、おいしい」
肉じゃがを食べて
ケイは黙々と食べ、先に食事を終わらせた。自室に戻らず、両親の話を聞いている。
娘に笑顔で話しかけながら、両親も食事を終わらせた。
皿洗いが終わり、風呂場のドアが開く。ほかの部屋と同じく、お風呂の
ケイは歯磨きをする。
終わると、何を思ったのか、鏡の前で軽くぴょんぴょんと跳ねた。
お風呂に入る前に、上着を脱いで何かを考えた。特に何もせず、
しばらくして出てきた。
長い髪を
「お風呂」
ケイは、台所にいる両親に一言だけ言った。
「あがったか。教えてくれてありがとう」
父親から感謝の言葉を受け、娘もすこし目尻を下げた。
自室でゲーム機の電源を入れた、十代前半の少女。
たまに
コントローラーはケイの手には大きすぎる。それを感じさせない
ランク11になった。フレンドの状態を確認すると、サツキが部屋を開いている。
「そういえば、最初に戦っただけ、だっけ」
あまり期待していない様子で、入室申請をする。少しして
「どこまで成長したか」
フレンド戦のステージは、どちらかがランダムで選ばれる。決定。障害物がほとんどない平原。
「見せてもらおう!」
サツキのロボットは、全身ミドルタイプ。背中には、珍しいロマン
ケイは、
背中の
ケイが、あえて
相手は左に動き、逆向きにブースト。ギリギリでミサイルを
「いいね」
そのまま近付く相手。背中の左右両方が
ケイはじっと見ている。左腕が一発受けた。
次の攻撃が来る前に、ヘヴィの左腕に
だが、遠かった。
ケイは、右腕の
サツキは、横に移動して回避。ビームナイフを狙ってきた。
しかし、右腕をライトに
2試合目も、適度に
そこを的確に狙ってくるサツキ。ただ、
ケイは笑って、
【上達にびっくりした。すぐ対応できるのもいいね】
サツキのアバター名はサツキのまま。姿は変わっていて、黒いロングヘアの可愛らしいものだ。
【やっぱり、まだ全然かなわない。明日、いろいろ教えて。おやすみ】
というメッセージが返ってきた。
「わかった。おやすみ」
メッセージを送ったパジャマ姿のケイは、レトロファイトでさらにポイントを
それから、
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