ごめんね。散らかってて
サツキの
Vの字の左上がサツキの家。
字の右上に接して、左上から右下に向け線を引く。大通りを表していた。
ケイの家は大通りに面している。サツキの家は、すこし
ミドルヘアの少女が手を振る。
「また、あとでね」
「また」
長い黒髪の少女は、家に戻ってマスクを外した。
どの服がいいか、
「いってらっしゃい」
「いってきます」
母親に見送られ、再びマスクをつけたケイ。大通りを北西へ。途中で左に曲がり、
進んでいくと、見慣れた顔が見えた。
「こんなに近いなんて、びっくりでしょ?」
「ん」
ケイは、あまり声を出さずに首を縦に振って
サツキの家は二階建て。家の上には屋根がある。
入り口の横に、
フローリングの家に入った二人。
「ただいまー」
「こんにちは」
ケイは、マスクを外し
「こんにちは。仲良くしてやって」
「お姉さん?」
言われた女性が、笑いながら答える。
「母です。スズランさん、って呼んでくれてもいいわ」
サツキの母親は、じきに外出するらしい。二人は二階に上がり、サツキの部屋の前に来た。
ドアが開く。
「……」
ケイは黙った。
中は茶系で
真ん中には、カーペットが
近くに、濃い茶色のクッションがいくつか
机や椅子、洋服を入れるための家具まで、
さらに、ぬいぐるみや小物などがあちこちにある。
「ごめんね。散らかってて」
部屋の主も、レース
「問題ない」
と言うのが
「適当に座って。いま、ゲームを」
「ちょっと待って。その位置はいけない」
正気に戻ったケイが、
ベッドと
ケイが、スペースを空ける。
「長時間使わなければ大丈夫だと思うけど、
「来てもらって、よかった」
サツキがにっこり微笑み、はにかむケイ。
二人はカーペットに
「もうすぐじゃん。
ケイは、
苦戦していたサツキ。
「やったぁ」
ラスボス(最後の敵)手前の敵を倒した。
サツキがセミロングの髪を
ケイは手を
「あと一息。いけるぞ」
「うん!」
最後の戦いは、
1戦目で、あっさりとやられてしまうサツキ。長期戦を
しかし。
2戦目は、焦らずじわじわと攻撃できるタイミングを計って、着実にダメージを与えていく。サツキは自分で答えに
そして。
「やったね!」
先に声を出したのは、ケイだった。
目を
ためらいがちに背中へ手を回し、軽く
「ありがとう。わたし一人じゃ無理だったよ」
「最後、何もしてないし。一人でも、しばらくやればクリアできてたよ。きっと」
ケイは、
「それまでの積み重ねがあったから、
「勉強みたいなものか」
「普段から、真面目に
言葉のあとに笑った二人。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、ケイは帰ることにした。
家の外まで見送りに出たサツキ。声をかける。
「またねー」
マスク姿のケイは、大きく手を
「またね」
自室。すぐ寝られる
画面では、灰色のロボットが戦っている。
左手のハンドガンで
ひたすら戦って、ポイントを
「前に戦った9の
フレンドの状態を見る。サツキは、オンラインで戦っているようだ。
「あ。部屋の作り方とか教えるの、忘れた」
ケイは、ぶつぶつと言いながらポイントを
試合の合間にストレッチをして、勝ちを重ねていく。
ランク11の相手とマッチングした。プレイヤー名はアサト。ステージ選択権があるのは、ランクの低いケイ。
すこし障害物のある荒野を選択。
相手は、ケイと同じく
「こいつは、できる
けん制で右肩の
相手の攻撃で切り払われた。背中にある
「
その
ケイは笑っている。相手のロボットが、右肩の
1戦目を
お
「面白すぎるだろ」
間合いを詰める。お
シールドを使わずに、
その
3戦目。相手のロボットが、最初に
すこしあとに、右腕がミドルに
ケイは予想していた。
狙いすました
攻撃には、決まった場所にクリティカル判定がある。普段と
ケイは、相手の
全身ライトのケイと、
「やっぱり、前のあいつか。ランクからして、あんまりやってなかったのか。フレ申請に何てメッセージ
と言っていると、相手のアサトからフレンド申請が届く。
【面白い戦いでしたが、
というメッセージが
「真面目かよ!」
ケイは笑いながら
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