第5話 エミリアの日記
◯月◯日 今日は人生で最良の日! 無事に産まれてきてくれた。カイルったら慌てて転んでいたわ。 お医者様は子供は諦めた方がいいと仰っていたけれど、毎日欠かさず神様に祈っていたおかげかしら。光り輝く人生を送れるように『リヒト』と名付けました。 リヒト、産まれてきてくれて本当にありがとう
◯月△日 スヤスヤ寝ていたリヒトの様子を見に行ったらいつの間にか起きていたわ。あの子ったらいつの間にか起きていて私のことを不思議そうな目で見ているのよ。ビックリさせようと魔法でオモチャを動かしてあげたらキラキラした目で嬉しそうにしていたわ。あんなに嬉しそうにして……いつか魔法を教えてあげようかしら。気が早いわよね。
◯月□日 リヒトは本当に泣かない子だわ。心配になってお医者様に診ていただいたけれど、健康そのものだって。カイルなんて「お前は心配性だな。この子は大物の器なんだよ」なんて笑っていたけれど、カイルみたいに楽観的すぎるよりはいいわよね?
□月◯日 この子は私達の言葉がわかっているみたい!呼びかければ反応するし、私達が話しかけると口元をジッと見ているの。まるで勉強してるみたい。実は天才児なのかしら?なんてね。
□月△日 リヒトったら本当にビックリ! あの子ったらもうハイハイしたのよ。本当に天才児なのかしら。余計に目を離せられないわね。
△月◯日 今日初めてリヒトが喋ったわ! 舌足らずだけどママ、パパだって! 思わず涙ぐんじゃった。カイルなんて隣で号泣していたけれどね。これからいっぱいお話ししましょうね。
△月□日 絵本を読んであげると「あれは?これは?」って質問してくるの。教えてあげるとちゃんと理解してるみたい。勉強好きな所はカイルに似なくて良かったわね。
……………………
◯月□日 最近あの子は気が付くと書斎で本を読んでいるわ。そんなに本が好きなら誕生日プレゼントは魔術書にしてみようかしら。子供向けじゃないけれど、魔法も好きみたいだし、きっと喜んでくれるはず。
◯月△日 魔術書をあんなに喜ぶなんて。子供らしくないプレゼントに子供らしく喜ぶギャップに笑ってしまったわ。カイルも何かあげてたみたいだけど秘密なんですって。もう! 気になるじゃない。
◯月◯日 リヒトにはずっと驚かされっぱなしだったけど、今日は今までで一番驚いたわ。珍しく緊張した顔で私に「魔法を教えて下さい」だって。それだけじゃ別段驚かないんだけど、あの子は本を読んだり、見様見真似で自分で試していたみたい! 緊張していたのは隠れて練習していたことが怒られるんじゃないかと思ったんだって。変な所で子供なんだから。
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