カーディガン

君の手を引いて走り出すように

明日のことを考えない努力が鍵


新しい靴がチラチラとウィンドウに

朝から二人 目がそっちに行きがち


紳士を気取ってカーディガンを肩にかけたら

真摯に乗っかるノリに救われた

そんな空気が

突き放された昔の恋を

とんでもないと笑い飛ばした


駅前の景色は学生時代から

寝ぼけたままでも思い出せた


見えない未来は当たり前だと

綺麗な君が狙いすました 土曜


この辺で弱気なブレーキをかけていた

当時の僕は見ないふりに慣れていた

その時の月は

濡れたアスファルトの上を

そんなもんだよと照らしてた


今日からの僕は前より少し強引な

気持ちと薄いグラスを手に入れた

隣の君が

肩にかけたカーディガンから

それでいいよと手を握った

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