夜ドライブ

立体交差点に上がった花火が

見上げる視線に焼きついた時

せめてもの償いとして

そっとあの曲を選んでみた


窓を下ろしてかき分けた前髪は

僕を包む香りを生み出してふわり

手の甲にも明かりが映って

ビートに任せて横顔を見た


こうして一秒が重なっていくことを

座ったまま待つしかないと言うのなら

バイパス抜けて高速に

何も言わずに乗り込んでいいだろうか


ふさぎ込んだ夜の雲に見える模様

車間距離が詰まってきた次のカーブに

ここ一番の優しさで

スピードそのまま入り込んだ


一緒になって過ぎていく毎日の

繰り返してきた関係をそっとあなた

タイミング見つけてこの先で

あの時の二人を変えてしまうのだろうか


短くなって迎えるアウトロと

待ったなしで近づく次のカーブから

あの花火に向かって助走つけて

次の曲まで越えていけないだろうか


そしたら君をさらってもいいだろうか

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