第17話 おちゃー りょくちゃー

家の垣根に成ってるお茶の葉を摘みまシタ


時間を見つけては虫食いやクモの巣を避けて新芽のキレイな所だけを摘まんで折りマス

未だクルッと歯が巻いている所の葉だけを摘まみマス

小さいザルに山盛り取って家に入るのデス


摘み取った葉っぱを蒸し器に薄く広げて一、二分ほど蒸しマス


お茶の葉が鮮やかな黄緑色に変わり綺麗デス


これを板の上に広げて団扇であおいで粗熱をとりマス

粗熱を取ったらちょっと熱いデスが頑張って優しく揉みマス

お茶の葉が冷めて来たら油分を除去したフライパンで温めマス


お茶の汁が出ない程度に何度も何度も暖めては揉み、暖めては揉むのを繰り返しマス

途中で茎を取って別にほうじ茶用に取っておきマス

茎が付いたままのお茶も味わい深いとの事デスがこれは一番茶なので

茶葉だけを味わいたいと思いマス


そのうち針のように葉が丸まって来たら広げて乾かしマス

お茶の葉が曲げるとポキッと折れれば完成デス


お茶の缶にサラサラと流し込んで完了デス


「べるでっあんたまた玉露を仕込んでるのっ」


「いえ、これは遮光して無い葉なので煎茶デス」


「あぁ、あっちのムシロを干してある所は玉露用だったのねっ、さっきタケルがムシロを取り込んでたわよっ」


急いでムシロをかけ直して来ましたデス

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