第11話 熊目線2 後半 ※なるべく軽く書きましたが、グロイです。
************************
この話を見るときは部屋を明るくしてご覧ください。
10話の熊目線をお読み頂いた上、大丈夫であれば
ご挑戦下さい。
なお、トラウマになって筆者のように熊に追いかけら
れる悪夢にうなされる様になっても、作者は一切の
責任を負いません。共に悪夢と戦いましょう。
************************
ざっざっざっ
土を掘る音が辺りに響く。
ふふふーん、満腹って良いな。
明日のご飯もあるし、この時期手ごろな獲物も判ったし。
言うこと無いな。今日は良い日だなぁ。
兄ぃはそれを横で見ていた。
穴はサクサクと重機を使うように掘られていく。
そしてオヤジは兄ぃの腕を優しく噛むと、兄ぃの体をぺいっと穴に放り込んだ。
どさっ
ざっざっざっ
土を上から掛ける。
土掛けておくと、息を吹き返しても逃げないし、ハエもたからないし
なんつったって他の奴に見つかりにくいってのが良いよねー
俺ってあったま良いー 強ぇえし 言うこと無いな。
さて、食料は貯蔵したし、縄張りの見回りでも行って、
山菜でも出て無いか探すか。肉も良いけど野菜もね。
と、オヤジは去った。
兄ぃは胸まで埋められている。
幸い、両手両足は無事だ。
顔半分齧られてしまったため、片目は見えない。
口を閉じていても呼吸が出来る・・・
だが、両手足は無事だ。
今のうちに逃げなければ・・・
子分には悪いが、あんな死に方は嫌だ。
必死で土を掘る。
一度掘り起こされているとはいえ、懸命に穴を掘っていると爪が剥がれた。
しかし、そんなことを気にしている暇はない。
奴が帰ってきた時、それは自分の悲惨な死を意味する。
そして、太ももまで掘ったときに足が抜けた。
穴から這いずりあがる。
そして、熊が去った方向と反対に走り始めた。
走り始めると、傷ついた体は再び血を吹き出し始めた。
出血のせいだろうか?足取りがフラフラする。
意識だけははっきりとし、体はそれに付いてこない。
足がもつれて転ぶ、痛くない。
何度も転ぶ。足がもつれてうまく走れない。
水場で休憩を入れた。
余り休むと足が動かなくなりそうである。
座り込まないよう立ったまま休む。
両手で水を汲んで飲む。
手で水を掬うと直ぐに水は赤く染まった。
汲みなおして飲む、半分以上、頬からこぼれて口の外に出た。
この水場からあと一里(4キロ)ちょっとで村だ。
助かるかもしれない。
兄ぃは目をランランと輝かして走り出す。
走り出したつもりだが、ほぼフラフラと歩いているだけだ。
時々足がもつれて転ぶ。転ぶ、転ぶ。
運動したら水が旨めぇなぁ。今日も元気だお水が旨い。
あぁ、明日のご飯があんなとこに居た。
逃げちゃ駄目じゃん。俺のご飯なんだから。
なぁ。
のし、のし、のし 男を追う熊
後ろから来る影に男が気が付く。
大声で助けを求めようとするが声が出ない。
膝が、足が もつれてこける。
熊は一定の速度で近づく。
そして、男の脚がもつれる寸前。
熊の腕が兄ぃの足首を捕らえた。
足首に刺さる長い爪。
えっ・・・と思う間もなく下からバリバリと言う音が、骨を伝わって聞こえてくる。
・・・骨伝導だ。
そして、足首、手首を噛んで、獲物を放り投げて痛めつける。
まるで子熊がおもちゃで遊んでいるような雰囲気だ。
そして、仰向けになった兄ぃの左手をかみ砕いた瞬間、兄ぃは反撃した。
右手の親指を立てて、熊の左目を思いっきり突いた。
熊は立ち上がり、咆哮を上げて目の前の居ない敵を爪で引き裂こうとしていた。
「へっ、俺の左目を奪ったお返しだ。 ざまぁみろい。」
怒った熊は一撃で兄ぃを仕留めた。
そして、兄ぃの亡骸を噛んで噛んで噛みまくった。
一頻り噛むと、立ち上がって咆哮を上げ、それはコダマとなった。
ちきしょうめ、痛ぇぞー 「ぞー」 「「ぞー」」 「「「ぞー」」」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます