最終話

「聞いたか?ココノ、生徒会に立候補するんだって。」

中学校にも慣れたころ、ショウゴが教えてくれた。

「ショウゴは?部活どうなの?」

「あぁ、レギュラー入れそう。それに、テスト結果もいい感じ。」

「彼女は?」

「出来ねぇ!!」

ショウゴらしい。出来ないんじゃなくて、作る気が無いんだろうな、下駄箱によくラブレター入ってるし。

「ミツキは?」

「見れば分かるだろ?学級委員の仕事に力入れてる。」

そうだね。学年集会の時、積極的な態度を見ている。


「ジュンヤは?」

ショウゴが聞いた。

「楽しいよ、特に部活動。」

そう言って、手に持ったクラリネットを掲げる。やっぱり、才能みたいなモノは無いが…上手になったら僕の音を聴かせたい、1人と1匹がいるから。

「あ、部活始まる!また明日な!」


唯一の男子吹奏楽部員、広瀬潤也は、その場を後にした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る