樋口2
ㅤいよいよ私はバイトに向かう。といっても今日は面接だ。昨日の夜に写真はバッチリ撮った。メイクは面接用に抑えめながらしっかり可愛い。
ㅤ私は学校終わりに、寂れた公園のトイレで着替えとメイクを済ませ、一目散にコンビニへ向かう。ここで働くことがずっと夢だった。そんなわけねぇだろ。
「すみません、面接で来ました、樋口です」
「あれ、樋口?」
「げぇ、英世」
「いつもと何か雰囲気違うな、可愛いな」
「うるせえ、それより面接で来たんだけど」
「じゃあ合格」
「はあ?」
「オレ、ここのコンビニの店長の息子」
「は、マジか?」
「マジマジ」
ㅤツいてるんだか、ツいてないんだか。もう、コイツが合否を決める権限あるなら、レジの金持っていこうとしても何とかなるんじゃねぇの。
ㅤなんてな。さすがにそこまではしねぇよ。私も鬼じゃない。コイツと働くのはマジ勘弁だが、働いて働いてキッチリ金を
ㅤそして、明日の私は今日より可愛い。ただコイツに惚れられたりしたら面倒だな。それで私は何度もバイト辞めてるからな。美しさって罪だぜ。英世の彼女を見つけてやらなきゃな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。