普通のメガネ高校生と恋する天使

@syarogami77754

第1話 実在した存在

この現代に至ってなおも存在するとされている空想の存在は数え切れないほどある。その中でも本当に存在するとされている存在が3つある


「悪魔」「天使」


そして「神」


なぜ、空想上の存在でしかないそれらは存在するとされているのか。



...そんなことを考えていたこの俺は全国のどこにでもいるようなメガネをかけた高校生。学業やスポーツだっていたって普通の高校生。強いていうなら...友達が周りよりもいないのとなにより恋愛経験ゼロってとこだ(汗)。でもこんなに普通でちょっと欠けてる程度の人生でも、楽しめてるから死ぬまで一生、このまま普通な人生送れればいいかなと思っている。


どうせ、願いを叶えてくれる天使とか悪魔とか、そして神様なんてものは、この世に存在しないのだから。




今日もこの普通の高校生としての1日が終わる。

「ヤマガミー、この後どっか遊び行かねぇか?」

後ろからこの俺ヤマガミ様を呼ぶ声。この声は俺の数少ない友達の1人のユウヤだ。

「んー、悪いけど今日は遠慮しとくわ」

「なーんだ、じゃあまた今度な!そんじゃな!」

「あぁ、ごめんな」

「気にすんなー!あー今日は1人でゲーセンだなー」

...ユウヤは馬鹿だ。



1週間にテストあるのに。



まぁあの学年1バカで有名なユウヤの1週間後はもう見えた。

俺は補習はめんどいから避ける。そのためだけに勉強する。他に理由はない。


夕日が建物に隠れ始める頃、俺は家に向かって帰宅した。俺の家と学校は徒歩で15分くらいの距離程度。音楽聴きながら帰りたいから登下校は基本的に徒歩だ。


いつものように家に向かって俺は歩く。


「...」


歩き始めて5分。背後からなにか気配を感じた。俺は振り向いた。

「誰か...いるの?」

振り返ったその先には登校時に見る光景しかなかった。気のせいか。そういえば今日の保健体育は30分間ずっと持久走で結構ハードだったもんなぁ。

俺はまた家に向かって歩く。間もなくして頭になにかふわっとした感触を覚えた。

頭を触った。なにか綿毛のようなもの...?それを見た。

それは、白い羽だった。

「白い羽...なにか飛んでるのか?」

上を向いた。

「!?」

この白い羽が、俺の上で舞っている。すぐさま下を向いた。

そこには無数の、この手に持っている白い羽が散らばっていた。

そして前方に気配を感じた。すぐさま前を向いた。


「...女の子?後ろからなにか生えてる...」


そこに立っていたのは、女の子。




翼の生えた、真っ白なオーラの、どこか癒し要素を感じる女の子。





いや、もしかしてこれが...




「...ヤマガミ...さん」

天使がこちらに話しかけてきた。

「は、はい」

無意識に返事をしてしまう。


待てよ、なんでこの女の子俺の名前を。

「な、なんで俺の名前を知ってるんだ?初対面だよな?」

女の子に問いかけた。

「見てた...ずっと昔から...いつの日も...どこにいても...」

女の子が返答する。

「ふぁっ!?」

見られてたのか!あんなことやこんなことが!?

意味深なことを考えてしまった俺は思わず赤面してしまう。

それは置いておこう。俺は女の子にまた問いかける

「君はもしかして...」

この短時間でいろいろありすぎた影響か、つい口が止まってしまった。だが、俺はまた問いかけた。

「君はもしかして...」

「天使...なのか?」

聞いてしまった。思わず下を向いた。なぜありもしない、空想の存在でしかないものかどうか聞いてしまったのか。これじゃあ俺がただの厨二病というか変態とかいうか...。

そしてまた前を向く。

すると、その瞬間だった。

その女の子は翼を大きく広げた。かと思うとその翼で俺を包み込もうとした。普通なら逃げる状況、だが俺の足は止まったままだった。そして俺の体は翼に包み込まれるのをあっさり受け入れた。直前に女の子の口が動いてるのが見えた。何を喋ったか、かろうじて分かった。



「私は、天使」

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