第1話 出会う

「やめー!!!!!」


その大声に兵士たちの足は止まり野次馬のひそひそ声も止まる。

俺は声の聞こえた方向を向く。そこには3人の人がいた。


ゆう「…なるほど。噂は本当らしいな」


?「えーと、君が追われてた人?」


そのうちの1人…格好的にスーツにネクタイだし執事とかそこらへんか?外交官っていうのも…。

いや。『あいつ』のキャラ的に執事か。


ゆう「高崎 優太っていうんだ。初めまして…か?」


?「うん。そうだね…。俺らは全員初対面のはずだよ。初めまして!っていうかようこそ!『赤羽の王国』へ!俺はあの城…『赤羽城』で執事長をやってる赤城 明日香っていいます!」


やっぱり名前は同じだな…。

これは、確定か。


明日香「そんで!」


明日香が後ろに手をやる。

そこにはまだ一言も話していない2人が立っている。1人はニコニコと、もう1人は無愛想にこっちを見ている。


明日香「むすってしてるほうが芳香 龍。大臣をしてるんだ」


龍「…よろしく」


ゆう「あぁ。よろしく」


っていうかここの国、兵士がしっかりしてるのか国自体が緩いのか…。国王の顔が見てみたいな!


?「そんでそんで俺がこの国の国王!瀧川 翠!」


…目の前にいた。


ゆう「お、おう。よろしくな」


翠「うん!…で、この国に何の用?不法侵入したからには…それなりの用があるんだよね?」


国王である翠の顔に影が入る。

__なるほど。この国が『狂気の王国』と呼ばれているのも納得がつく。さっきと3人を取り巻く雰囲気が違う。

…いや変わりすぎだろ!?めっっっっちゃ重くなったな!?俺なんかしたか!?…いや待てしたな。


ゆう「あーまー落ち着け!俺はお前らに用事があってきた!だけどここじゃいろいろ目が合って話すにも話せない!だからとりあえず!俺に入国許可証をくれ!」


3人はポカンと俺を見ていた…。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


俺は出された紅茶を一気に飲み干し喉の渇きを潤す。


明日香「飲むね〜。お代わりいる?」


ゆう「頼む!喉乾いてんだ!」


俺はティーカップを明日香に渡す。

龍も飲み終わっていたのか無言でカップを手渡す。明日香はそれに苦笑いしながらもそれを受け取りキッチンらしきところへ消えていく。


翠「うーん!天気がいいよね今日は!で、何の用だったの?」


ゆう「む…そういえばまだ話してないか。あー…とだな…。お願いだ…俺をお前らの弟子にしてくれ!」


俺はそう言って机に手を付き土下座まがいの事をする。

下を向いてるからわからないが音的に2人とも驚いているだろう。龍は持っていたナイフを床に落とし、翠は持っていたティーカップを皿の上に落とす。中身もなく割れてもいないのが幸いだ。


明日香「おまたー……せ?」


ゆう「もう一度言う…。俺をお前らの弟子にしてくれ!」

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