狂気の王国の皆さん

最善策

プロローグ

ある1室。

パソコンが青く点滅して、真っ暗だった部屋を青く染める。

その中で今までついていなかったテレビが誰かの手によって付けられる。

テレビではニュースキャスターがある事件の概要を伝えていた。


『昨日の昼過ぎ頃、××県××市において4人の少年が同時刻に事故死するという事故がおきました。少年らは友人同士であり、この悲劇に少年らの親族は悲しみの涙を…』


「…見つけた。やっとこのゲームの駒を見つけた…。は、はは…。はははははは!!!!」


青く染まった部屋に少年の笑い声が響いた…。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


突然だが俺は追われている。

何かって?そりゃ門番にだよ!!!!


門番「待てーーーー!!!」


門番「そっちに行ったぞ!回り込め!」


「げっ。やっべええ!!!」


こんなときになんだが俺の名前は高崎 優太。

家族や友人からはゆう、と呼ばれていた。まあ、その家族も友人ももういないが…。


ゆう「ってそんなこと言ってる暇じゃねえ!ちっ…どうする!?」


俺は人の波をかき分けて広場のようなところに出る。そこには大きな噴水がありその奥には__大きな城がある。

俺が今いるところは『赤羽の王国』という国。名付けの由来は、かつてこの国には赤い羽を持ったドラゴンがいたと言われているからだ。そして別名『狂気の王国』。なぜこの名前で呼ばれるようになったのかは知らん…が、俺にはここでやらなければいけないことがある。


だからこんなところで捕まるわけにはいかないんだ!


ゆう「おおおおおりゃぁぁぁぁぁあっ」


俺は思いっきり勢いをつけ__噴水を飛び越える。

周りからはおぉっ!という歓声が聞こえるがそんなものは無視して城へ向かって一直線に全速力で走る。

…が、目の前に兵士が複数立ちはだかる。逃げ道がなくなり俺はしょうがなく立ち止まる。


兵士「ここで終わりだ!不法侵入者!」


兵士「大人しく諦めれば無期懲役で許してやる!」


ゆう「はあ!?どれにしろ重いし嫌に決まってんだろ!?」


後ろを見てみるも、国民に紛れてさっきから俺を追っている門番が混じっている。


ゆう「…しゃあねえか…!?」


俺は右腕に通している青と黄色が基調のブレスレットに手をかける。そのブレスレットの1つの玉は黄色く大きい。


兵士「な、何をする気だ!」


兵士「し、死刑だ!この男を殺してでも確保しろ!」


威嚇のつもりだったんだが…まさかの向こうの士気が高まったか…。

しょうがない…いっちょ見せてやるか!

俺はブレスレットをいつものように右腕につけたまま…引きちぎる!


みんなが驚愕してそれを見つめる。

その弾け飛んだガラス玉が黄色く光り出し、形を変える。


兵士「なんだあれ!」


兵士「ひぃぃ!」


ゆう「そんな怖がんなよ…お前らも見慣れたもんだ!」


俺はその一つに手を伸ばししっかりと『それ』を握る。

それはしっかりと形を捉え__銃の形になる。


兵士「じゅ、銃に変わった!?」


ゆう「しかもこの銃…銃弾なんか込めなくても撃てる優れモノだぜ?」


兵士「むっ、迎え撃てー!」


ゆう「げっ」


複数の兵士が槍を持ってこっちに突っ込んでくる。

殺す気か!?…ってそりゃ殺す気か。


ゆう「どーすっかなあ…。撃つつもりはないんだけどなあ…」


俺は銃を放る。すると銃は地面に落ちる前に光になって、その光は俺の右腕に輪っかになってブレスレットに戻る。

だが兵士の足が止まる気配はない。

蹴り程度で済ませてやろうと身をかがめる準備をした時、その声は響いた…。

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