思春期にありがちな正義感から突き動かされる衝動的な間違い、それを気付かせる存在。それに出会ったからこそ、絶対的に正しい存在としての母から、人としての母を見出し、認め、赦す。母の再婚相手への拒絶から現実を受け入れるまでの少女の心情の変化を、具体的かつ丁寧に書き表してあり、一見淡々とした文章ながら主人公の激情がほとばしる。十代後半の人に広く読んでもらいたい一作。