第41話 妾の真の姿なのだっ!!
◇ ◆ レムリア視点 ◇ ◆
「のぉぁぁぁぁぁっ」
--ザシュッ
--ザシュン
あの女が、あの女が追ってくるのだぁぁぁっ。
--ザシッ
痛いっ! 痛いのだっ!!
さっきから何故かチクチクと妾の腕とか足にあの変な攻撃を刺してくるのだっ。
自然回復ですぐに回復する程度の攻撃なのでなっ、ダメージは受けんのだがチクチクと痛くて非常に不愉快なのだっ。
「うふふふふふっ」
「ひぃぃぃっ」
しかも何故か満面の笑顔で追ってきておるから、もの凄く恐いのだが。
いったいあの鬼の女はなんなのだっ!?
「ねぇ~え~、そろそろ杖の在り処、教えてくれないかしらぁ?」
「だっ、だから知らんのだっ!!」
本当に気持ち悪い上にしつこいのだっ!!
--ザシッ
--ザシッ
「あなた丈夫ねぇ~...こんなに刺してもすぐ治っちゃうなんて、最高の玩具だわぁ~」
「おっ、玩具じゃないのだぁぁぁっ」
ぬぉぉぉぉぉっ。
先程から身体強化魔法は使えるのだが、飛んで逃げようと魔法を発動したら全部消されてしまうのだっ。
きっとこれは前回もやられたあの女の魔法破壊(スペルブレイク)みたいな技(スキル)に違いないのだっ!!
--むぅ......
だが、アレをいったいどうやっておるのか未だにわからんのだが...。
そのせいで全く対処ができんし...。大魔導師として魔法の事がわからんなど、プライドが傷つくにも程が有るのだ......。
--ザシュッ
--ザシッ
「痛っ」
痛いのだっ!
--ぐぬぬぬぬぬぬぬ........。
幸い、今の所銀子は狙われておらんから助かっておるのだが。
いい加減そろそろ何とかせんと、妾の方がもたんのだっ。
死にはせんのだが、身体のいたるところを針でチクチクされてるような感じなのだぞっ?
本当に不快で不快でたまらんのだっ!!
「いい加減攻撃をやめるのだっ!」
「嫌ぁよ~ こんな楽しいことやめるワケないじゃなぁい
ふふ......ふふふふふっ」
「ぬぉぉぉぉぉぉぉっ」
だっ、だめなのだっ、やっぱり話が通じる相手ではないのだっ!!
しかし他に方法は何も思い浮かばんぞ...?
魔法が駄目だとなると、物理で殴るしかないのだが...。
妾は魔道士で、しかも相手は魔法が使えるからな。勝ち目が薄いのだ。
実際、前回は負けてしまったからな...。
むぅ......。
しかし、身体強化は使えておるのだ。
魔力制御自体は出来るのだな?
身体強化は術式が有って無いような物で、身体に魔力を流しておるだけだから破壊(ブレイク)されんのか?
--んんっ?
それならもしかして、ドラゴン形態のブレスならいけるのではないか!?
いや、しかしこんな所でドラゴンになってしまうと、建物に挟まって身動きが取れなくなってしまうのだっ。
せめて広い場所に出られればいいのだが......。
それに、銀子がおるからな...。
もしも妾の姿にビックリして逃げ出してしまったら、追いかけるのがとっても大変なのだ。
ドラゴンはとっても格好いいからなっ!!
『ドラゴンテイルズ』の世界でも、人族は妾を見るとみんなビックリして逃げていったし、この世界でもきっとドラゴンは格好いいのだ...。
間違いなくみんなをビックリさせてしまうのだっ。
--すー...
--ふすー...
んっ?
ちょっ、ちょっと待つのだ。
もしかして銀子、寝ておらんか?
--すぴー
--ふすー
......。
...。
間違いない、寝ておるのだっ!!
荷物みたいに抱えて居るのだが、こんな状態で良く寝れるのだな。
妾でもこれにはとってもビックリなのだっ!!
しかし、これならいけるのではないか?
後は広い場所に出られれば...よしっ。
--探知(サーチ)
......。
そっ、そうだったのだっ!
魔法は今使えなかったのだっ!!
むぅぅ...。
この城、広すぎなのだっ!!
何処まで行っても通路がいっぱいあって、まるで迷路みたいなのだっ!!
--ぬぅ...
ここはさっきも通った気がするぞ...。
階段にたどり着きたいのだが、全然見当たらないのだ。
城の上の方は細かったからなっ、多分下の方に行けば広い部屋があるはずなのだっ!!
--階段
--階段
あっ......。
そっ、そうなのだっ、別に階段が無くても下を壊せばいいのではないか!?
グッドアイデアなのだっ!!
やはり妾は天才だなっ!!
よしっ、すぐにやるのだっ。
「とりゃっ」
--バゴンッ
--ガラガラガラ
よしっ、ちゃんと下の階なのだっ!!
「あらぁ? 何処へいくのかしらぁ?」
ぬぉぉっ、やっぱりなのだが、下に降りても追っかけてくるのだっ!!
し、しかもこの場所も狭いではないか!?
よしっ、もう一度なのだっ!!
--ドゴンッ
--ガラガラガラ...
おっ、おおっ!?
なんだかとても広い場所に繋がったのだっ!!
あそこなら大丈夫だなっ!!
「人化魔法解除なのだっ!!」
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