幕間の物語
私、工藤美香はバカな弟の後始末を終え、自分のノートパソコンを持ち部屋に戻った。
涼が深層ウェブのデータを見つけ開きやがった。
それにより家のメインのパソコンが火を噴きかけた。(それはほとんど私のウイルスのせいなのだが)
昔はこういうことを何度もやってきたがこの年になってくるとさすがに辛く感じる。
目も悪くなるし、不眠症になるし。
部屋に戻った私はパソコンを開き、工藤美香特製のウイルスデータを開いた。
ファイルには凍結されたウイルスのデータが大量にある。
涼にはあんまり見せたことはないが見せると毎回「ネーミングセンスがない」と言われる。
「かっこいい名前だと思うんだけどな~」
私の作ったウイルスには汎用性が高いものから使い道が思いつかないようなものもある。
中にはアメリカの機密情報にアクセスできるようなものもある。(実際に使ったことはないけど)
このウイルスたちはすべて私が中学生の時に作った。
夏休みの自由研究と入して学校に提出した。
すると学校は大騒ぎになった。
担任の先生が誤ってデータを解凍してしまい、すべてのウイルスが学校のサーバーへと流れた。
それにより学校のインターネットシステムがすべて死んでしまった。
その後、私はその責任を負い、1週間かけて学校のサーバーを復旧させた。
この一連の騒動の結果、私は学校内だけでなく、全国の人たちに名が知れ渡った。
『ウイルスの魔女』という異名までついてしまった。
私は名が上がっている間は表のネットから離れていた。
「にしても、涼が深層ウェブのデータを開くなんてね....。まさかあれをもう一度見ることになるなんてね....」
私は独り言を言いつつ、スマホを取って、電話を開いた。
少し長い着信音が終わり電話がつながった。
「もしもし父さん?涼のやつ、ついに開けちゃったよ。ウイルスとかは問題ないだろうけど、近いうちにあのデータも見つけちゃうかもよ。確かに暗号化されてるから問題ないだろうけど、涼が本気出したら終わりだぜ?」
そう言って私は電話を切った。
「私もできる限りのことをしなきゃね」
そう言って私はノートパソコンを開き、深層ウェブに入った。
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