7節

「なぁ聞いたか?2丁目の一個上の先輩が路地裏で無残な姿で発見されたそうだぞ」

「聞いた聞いた。やっぱり魔女かな?」

「だろうな。俺たちのこと相当恨んでるはずだし」

「このクラスに怪しい手紙が送られてきたの覚えてるか?」

「『このクラスに魔女がいる』だろ?一番疑わしいのはこの間死んだじゃないか」

「バカ、その件に関しては今後一切話さないってクラスで決まったじゃないか。真っ先に破るつもりか?」

 ガラガラと音を立てて教室に入ってきたのは先生だった

「静かにしろ予鈴はとっくに鳴ったぞ?」

 その声で、生徒はみな自分の席に着く

「学園の生徒が犠牲となって落ち着いてはいられないだろうが、敵を狩り狩られることは避けては通れない道。どうかそれは忘れないでもらいたい」

「とまぁ、話はそれたが今日は転校生を紹介する」

「初めまして私はアンジェです。皆と仲良くできたらうれしいな」

 ニコニコ笑う彼女はすぐさまクラスに漂う空気に気づいた

 彼らが抱える不安、恐怖、怒り、嫉妬、悲しみを

「…?」

何かに阻まれ、これ以上の読み取りを防がれた

 あぁこれは結界か、これ以上過去への干渉はできなさそうね

 おそらく、死ぬまでは

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る