2節

 手紙にはこう書かれていた

「七罪招集…かいつもの定例会議」

 緊急召喚きんきゅうしょうかんさえされなければ大したことじゃない…とこの時は思っていた。

「七罪の魔女アンジェ、召集に応じる」

『開門』

 アンジェが指を鳴らすと門が現れ、鍵を解除した


 広々とした礼拝堂れいはいどうの地下に進んでいくと、待っていてくれた金髪でロングの女性がいた

「アンジェこっちよ」


「ジェシカごめんね。私が最後みたいね」

「それほど待ってないわ、いつものメンバーだから安心して」

 七罪の魔女は強い。だけど誰一人として油断はしない。

 それは七罪の魔女であっても心臓はあるのだから。


「来たかアンジェ」

 既に5人は長テーブルに腰かけていた

「返り血ついてるぞ。アンジェ」

 七罪の魔女ゼータ【暴食の罪】

「あ、あぁごめんごめん」

 彼女は自分の袖で拭いた

「かわいい女の子が返り血ついてたらモテないわよ」

 七罪の魔女ジェシカ【強欲の罪】

「さっき殺してきたところよをね」

 袖を拭き終わると二人の少女が私の両手をそれぞれ取った

「お姉さまは強いんですぅ」

 七罪の魔女ミツバ【嫉妬の罪】

「お姉さまはかっこいいんですぅ」

 七罪の魔女フタバ【色欲の罪】

 双子の七罪の魔女は歴代でもまれである

「ふふっありがとう」

 少し咳払いをしたゼータが本題に入る

「本題に入る前にジェシカ、今日のリストをアンジェに渡してくれ」

「…わかったわ」

 少し遠慮がちにそのリストをアンジェに渡した

「ごめんねアンジェ」

 いつもの死亡者リストを渡されるとそれに目を通し始めた

「ジェシカは悪くないわ。」

 少し遅れてノイズはいつも以上に音を立ててアンジェの体をふらつかせる

 物は無条件で私の記憶として体に刻まれる

 だからその者がどうなったかまで見えてしまうのだ

 その者が味わったであろう最期の苦しみも鮮明あざやか

 その役割を負っているのが私の仕事だから、ほかの人にはできない唯一無二ゆいいつむにの能力なんだ。

「アンジェ!!?」

「私はこの傲慢を恨んだことは一度だってないよ」

 最後の紙をめくると見覚えのある顔と記憶が見えた


「…え?エド?」

 エドワード=ペルセフォニという少年の処刑。その事実だけは信じられずにいた




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