キミとのほのぼのらいふ。
Rain kulprd.
あたたかな温もりと、キミとの日々。
「ただいまー。」夜の11時。外はもう真っ暗だけど彼女が帰って来るのはいつもこれぐらいの時間だ。玄関へゆっくりと向かい、「おかえりー!」と言葉を返す。そんな出迎える僕の姿に癒されてくれたのか、キミは疲れたような表情を浮かべていたのに、優しく微笑んでくれた。
夜ごはんを食べ終えた彼女は汗を流す為にお風呂場へと消えてしまった。僕は一緒に入れないからお留守番をするしかないけど、今日はお仕事が上手くいったのか、機嫌のいいらしい彼女の優しい声で楽しげなリズムに合わせた歌が聴こえて来て、僕も楽しい気持ちになれたからいいんだ。
でもキミは今日も忙しいんだね。
「遊んであげられなくてごめんね~…。」と申し訳なさそうに僕に告げて、キミはパソコンの電源を入れてしまった。
…さみしい。なんて口にしたらきっとキミを困らせてしまうだろうから言わないけど、僕もキミと遊びたかったよ。構ってほしかったよ。そんな気持ちがたくさん生まれ始めて、自然と、しゅん。となってしまう。
「…この作業が早く終われば構ってあげられるんだけどなぁ…。」
でもキミがふと呟いた言葉に僕の瞳は一瞬できらきらと光った。
「それなら僕が手伝うよ!」
そう意気込んでキミのお仕事を手伝い始めたのに…、
「うわああああ!すとっぷ!すとっぷ!」
キミが慌てたように叫んだのはどうしてだろう?でもこれできっと、お仕事も早く終わって遊べるよね?
°*.
「ただいまー。」夜の11時。いつも帰宅するのはこれぐらいの時間だけど、連勤続きで流石に疲れてしまった。でもそんな私の帰りを迎えてくれる子が私にもいる。今日も私のところまで来て、「おかえりー!」と言って迎えてくれるのだ。可愛くて仕方がない。…なんて、私がそう思っているだけで本当はもっと違うことを言っているのかもしれないけど、その姿を見るだけで癒されてしまうんだもの。仕方ないよね。
夜ごはんを食べ終えた私は汗を流す為にお風呂場へと向かった。キミが少し寂しそうな顔をしたように感じたけど、私はここにちゃんといるから大丈夫だよ。という意味や気持ちを込めて、シャワーを浴びながら歌を歌う。もちろん近所迷惑にならないよう気を付けたけど、途中からノリにノッてしまったのもあって、るんるんで歌っていたのは秘密だ。
お風呂から上がると、私は持ち帰った仕事に取り掛かった。キミが再度寂しそうな顔を見せたから、「遊んであげられなくてごめんね~…。」と告げたけど、遊びたいし構ってあげたいのが本音だ。持ち帰った仕事だって本当は放りだしてしまいたい。そんな想いが膨らんでいったからか、「…この作業が早く終われば構ってあげられるんだけどなぁ。」と無意識のうちに呟いてしまっていた。でもそんな呟きをキミは聞き逃さない。
にじにじ…。と獲物を狙う前にする動作を見せたかと思えば、作業途中のパソコンの上に乗り、様々なキーをキミは押す。
「うわああああ…!すとっぷ!すとっぷ!」
そんな私の悲痛な叫びに対してキミは、「にゃ?」と不思議そうに首を傾げたり、「でもお仕事、これで進んだでしょう?」とでも言いたげなドヤ顔をするばかりで一向にパソコンの上から退いてくれない。…でもそんな顔すら可愛いんだもんな。反則だよ。
そんな私と愛猫の癒しに溢れたにゃんらいふ。言葉は通じなくても、通じる想いはきっと、ちゃんとここにある。
キミとのほのぼのらいふ。 Rain kulprd. @Rain_kulprd
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます