第1話

親父、母さん、兄さん、俺


世間ではとても仲のいい家族と言われている


医者をしていて忙しいけどいつも家族を思ってくれている親父


専業主婦でいつも笑顔、でもちゃんと自分を持っている優しい母さん


名門大学に合格し文武両道のかっこよくて頼りがいのある兄さん


落ちこぼれで馬鹿で運動しか取り柄のない俺


そんな、どこにでもいる家族。


でも。俺からしたら兄さんばかり愛情をもらっている気がするんだ。


兄さんが寝ていても笑って寝かせておいてあげる親父


俺が寝ていたら声を荒らげて起こす


兄さんが家事を手伝わなくてゲームしていても怒らない母さん


俺が家事を手伝わずに勉強していたら怒る


俺はこの家に必要とされていないんじゃないかと思うようになった。


でも、きっと俺はまだ頑張れる


大切な友達がいるんだ


こんなことで挫けてられない


本当は泣きたい


叫びたい。俺を愛してって。


だけどそんなことも出来ないただの弱虫

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

この世界に一人だけ みゅら @hositaniharu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ