プレゼントフォーユー(男女/恋愛)
「しょーうくん」
子どもみたいな呼び声と共に集合ポストの影から現れた人影は、真っ赤な包装紙にラッピングされた包みを差し出してみせる。
「ハッピーバレンタイン!」
やれやれ、と大げさに肩を落とし、声をひそめるようにしながら俺は答える。
「学校で渡せばいいだろ」
「したらプレゼントボックス越しでしょ」
わざとらしくいじけてみせながら告げられる言葉はこうだ。
「面倒だよね、先生って」
「面倒が起きないためのルールなんだよ」
もう起きてますが。
「ほら、こっち」
華奢な手首をぐっと掴むようにすれば、長い睫毛がぱちぱちとしばたかれる。
「入っていいの?」
「目立つだろ、ここじゃ」
続きなら、部屋の中でゆっくり聞いてやるから。
第三十四回 #Twitter300字SS お題:渡す
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます