飾らないあなたも(男女/恋愛)
イヤリング、ネックレス、腕時計、指輪。滑らかな手つきが順に、彼女を彩るそれら宝飾品たちをひとつひとつ外していく。
少しずつ無防備さを露わにしていく、その様を見ているのが好きだった。
「どうかされましたか?」
伏せた睫毛をしばたかせながら遠慮がちに投げかけられる問いかけをまえに、僕は答える。
「いいなあと思ったんです」
彼女を彩るものひとつずつから解き放たれていく様を見られるのは、こんなにもそばにいられるからだ。
身軽になった指先を手に取り、その付け根へとそっと目をやる。ただひとつ、外されないもの――揃いの指輪が、薬指に光る。
手に入れただなんて思っていやしない、それでも。確かな絆のありかは、いまここに。
第三十回 #Twitter300字SS まとめ お題:飾る
「真夜中のころ」(https://kakuyomu.jp/works/1177354054880428276)から、遠峯と栞
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