光を描く人(BL)
「どうしたの?」
まどろみながら、窓辺から差し込む光が照らし出す恋人の姿をぼんやりと眺める。
やわらかに光を跳ね返す金の髪、長い睫毛が頬に落とす影、うっすらと血管の透けた滑らかな肌。この日、この瞬間にだけ照らし出される陰影が作り出すきらめきを、僕はただ飽きもせずに見惚れる。
この光に縁取られた絵を留める術があったのなら、残していたのだろうか。描き出すことなんて到底出来ないから、ただ胸の中にだけ閉じ込めておく。
「綺麗だなあと思って」
囁くように答えながら、指先をするりと差し伸ばす。
視界の向こうに広げられるキャンバスの中、何よりもいちばん美しい絵が、僕だけのためにそっと微笑みかけてくれる。
第二十七回 #Twitter300字SS お題:絵
「ジェミニとほうき星」(https://kakuyomu.jp/works/1177354054880500070)海吏とマーティン
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