第5話 禁忌の三人との接触

ブレスト「もしもーし、聞こえなかった?」

「ギドロックくんとナッシュくんスカウトに来たんだけどぉ」


派手な金髪に掘り深い顔でまるで外人のような雰囲気、背中に龍が白で書かれ騎士と馬の刻印が胸ポケットの上に描かれたライダースジャケットを着て凄まじいオーラを放ち、

さっきまでの闘いの雰囲気をかき消し自分色に染める鬼気迫る雰囲気のその漢は

間違いなく潮風高校で知らぬ者はいない禁忌の三人の一人、不動零斗(ふどうれいと)こと【竜騎士ブレスト】だった!


教室中を包むような3人が見たこともないような凄まじい闘気オーラを放ちながら話しかけてくる!



バン「ナッシュ!」震えながらナッシュに呼びかける


ナッシュ「この人まさか…」


コウスケ「禁忌の三人のうちの一人すよ…!」普段おちゃらけた口調のコウスケでさえ真剣な目付きで対峙している


ギドロックとセリナの安否を確認しおえ、教室にかえってくるなり戦慄した場面に出くわしたコウスケとヤス


ヤス「ワタルさんが絶対に手を出すなって言ってた…例の…!」

無口なヤスが自分から改めてワタルから言われてたブレストの情報を口にする


バン「そして「何があっても逃げろ」とも言われてた…」満身創痍でそう口にするバン



コウスケ「皆この状態で、負傷してる中全員の力でも逃げきれるか…」

必死に逃げ切れるかを考えるコウスケ


ナッシュ「おいおいこの人数で逃げるのはダサくねーか?4対1だぞ?ハハッ闘っても複数でリンチしたみたいだけどよ!」ワクワク


バン「!?」

「ワタルさんが言ってたろ、何があっても逃げろ…と、人数も含め何があってもてことだ…」

「(ナッシュの様子が変わった?…狂化覚醒状態から戻ったはずだが…あの状態と経験を経て無意識に前より好戦的になっている…!?)」




コウスケ「ナッシュの兄貴がさっきの状態に入ってくれれば…いやそれでも勝てるかは難しいかも」険しい顔で珍しく弱気なコウスケ


 ナッシュ「ハハッ!!喧嘩の途中でよ…劣勢だったんだが今から暴れようてとこで意識失って気づけば終わってた…。消化不良だからよアンタ付き合ってくれねーか?」


ヤス「(この雰囲気巌流中で影の総番やってた時の…)」


ブレスト「んー、もしかして君がナッシュくん?」


ナッシュ「そうだ!…闘おうぜ!…禁忌のブレストさんよ…!タイマンだ!ヒャッハーッ!!」

ほとばしる闘気オーラがナッシュから溢れ出す


バン「ナッシュ!ワタルさんの言ってたこと忘れたのか!」


コウスケ「タ…タイマン?…ブレストと?」


ヤス「兄貴…!」





ブレスト「んー!君面白いね!フフッ…一年で俺とタイマン張ろうって気合い入った子中々いないよ…ますます気にいった!」

「俺の勢力に入ってくれ!…スカウトにきたんだ!喧嘩なら俺のチームに入ってからでもできる!」笑顔でナッシュを勧誘するブレスト


ナッシュ「そうか…そういう相談は校舎の外で何故かのびてるウニ頭としてくれ」


校舎の外で気を失いセリナと共に倒れてるギドロックを親指でさしながらブレストに自信満々で返すナッシュ


ブレスト「ほうほう!ギドロックくんのびてるじゃん!それにレディース総長と噂されてる子も!…あれナッシュくん達がやったの?ますますチームに引き入れたいな…でも断るか…残念だね、ならせめてとりあえずギドロックくんだけでも回収するかね!」


ナッシュ「お前ら逃げろ!」ボソッ


バン、コウスケ、ヤス「!?」


ナッシュ「あのライダースーツ野郎がギドロックに気をとられてる間に!…闘うとなったらお前らは巻きこめねぇ!…早く」


バン「何言ってんだ!お前も一緒に逃げるぞ!」

 

コウスケ「そうっすよ兄貴だって逃げる時間ありますよ!」


ナッシュ「ありがとよ…でもなんかコイツから逃げ回って闘わなかったらワタルさんの手がかりも掴めずそして今からの学校生活も楽しめないような気がしてな…!俺は闘う!お前らはその間に逃げろ!」


ヤス「ナッシュの兄貴の言うとおりにしましょう…兄貴は逃げる気全くない…ああなったら言っても聞かない…!」


バン「馬鹿野郎置いて逃げれるかよ!…ナッシュ…気持ちは分かった…!だが今日はまだ闘わないでくれないか…?」


コウスケ「俺先行ってます!いやバンの兄貴も酷い怪我だ掴まって早く…」



ブレスト「おーっとっと!逃がさないよぉ!俺相手に取れる君達の決断は二つ

傘下にはいるか…ここで敵対勢力とみなされて俺に殺られるか 二つに一つだ!」




校舎の窓の外でギドロックの横にいたはずがいつの間にか

教室の廊下側から逃げようとしたコウスケとヤスの前に立ち塞がる


コウスケ「…化け物め…!」汗を垂らしながら呟くコウスケ


ナッシュ「いつの間に!…」


ヤス「……逃げるのは無理そうだぞコウスケ…」


コウスケ「とはいえ夕日の岬に、ワタルさん達に忠誠を誓った俺らがヤツの傘下に入るのは御免だ!」


ナッシュ「おい!ブレストさんよぉ、そいつらは関係ねえ!俺と1対1で楽しく踊ろうぜ!ヒヒ…」ワクワク

バン達を逃がしたいのもあるが闘いたい様子のナッシュ


ブレスト「……………チッ」


ナッシュ「?」


バン達「?」


ズッゴォォォォォン!


バンの必殺技をギドロックが蹴り上げ弾いて空けた天井の穴から穴を更に壊し崩壊させながら人がふってくる


ブレスト「猛獣め……!」


【獣王ゲルガウス】「グルルルッ!シャアアアアアッ!!」

金色の毛が激しく逆立つ!その風貌と迫力は百獣の王を連想させる!みるからに人間より獣に近い姿勢で立ち雄叫びを上げる!


即座にたまたま一番近かったブレストに猛獣のようなパンチをぶち込む


ブレスト「ぬっ……!!!」両腕でガードしたブレストだが吹っ飛んで壁にめり込む!


バン「禁忌の…!」


ゴダイ「マジかよ!禁忌の三人のうち二人が同じ日に…!」


コウスケ「今だ!兄貴を連れ皆で逃げる!」


ヤス「………」グイッ

ナッシュ「おい……ヤス…何してん…」

コウスケ「兄貴!」グイ

ナッシュ「コウスケまで…おい降ろせ…俺は残るぞ!」

コウスケ「すいません兄貴!それは聞き入れれないッス」


コウスケがナッシュを持ち上げ廊下側から教室から脱出する!


ヤスもバンを連れ続き教室から脱出!





教室


ガラガラガラッ!

崩れ落ちる壁からライダースーツを脱ぎながら出てくるブレスト

ブレスト「もう少し勢力集めて君とケレスくんを潰す予定だったんだがね!」

「獣には…どうやら調教が必要なようだねッ!」



木刀を独特のジーパンから取り出し構え真剣な目付きになるブレスト



ゲルガウス「ガァァァッ!オ…マエ…メザワリ…ダ…コロス!」全身の毛が逆立ち牙を剥き鋭い爪を構えながら笑うゲルガウス




その頃 夕日の岬


バン「…ハァァァァっ死ぬかと思ったぜ…改めてなんて学校だよ!」


コウスケ「あの時ブレストがたまたま一番ゲルガウスの近くにいて助かったスね」


「今日は色々あり過ぎたぜい…あの二人まだ潰し合ってんのかな?」安堵しながら軽いノリを取り戻すコウスケ


ヤス「兄貴……すみません…」


ナッシュ「…いやいいんだ…今考えるとあの状況はまずかったかもな!…セリナちゃんとギドロックも無事かな?」色々複雑な気持ちで溜め息をつくナッシュ


バン「敵の心配かよ」笑うバン


コウスケ「にしても今日のドス黒い闘気オーラといいブレスト、ゲルガウス相手に引かないって、…ナッシュの兄貴はどういう構造と神経してんすか」感心するコウスケ


「ナッシュの兄貴、今日中学時代の兄貴見れた感じでよかったス」


ヤス「……ですね、兄貴改めてお久しぶりです!」


ナッシュ「おう!元気してたかヤス!なんか助けてもらったみてーでありがとな!コウスケも!」


コウスケ「お安いご用」グッ


ヤス「というよりこの馬鹿が授業中、俺に至近距離でしゃべりまくってたんで兄貴のピンチに駆けつけるの遅れたんすよ」


コウスケ「んだとヤス、俺はな真っ先に兄貴のピンチをお前よりはやく第六感でだな…!」


ヤス「うるせーぞ」珍しく笑うヤス


釣られて笑うバン、ナッシュ


ナッシュ「ああーもう他の教室では一限目だったのかあ!あれじゃあ戻りにくいし昼までサボるかあ!」


コウスケ「兄貴サボりたいだけっすよね」


緊張の糸がきれ、またしても爆笑する一同


なにわともあれ、特にナッシュにとってはしょっぱなからの激戦を終えまだ他の岬のメンバー誰も着てない岬で寝転ぶ4人



この調子でナッシュは強くなり新しい学校生活を、新世界をどう切り開いて成長していくのか…。




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