国産と舶来

 国産の万年筆はコストパフォーマンスに優れる。無論ものづくり大国としての技術力は言わずもがな、調子が悪くなった時などすぐにアフターフォローを受けられる安心感はありがたい。

 舶来万年筆というと外国産を指すわけだが、万年筆はもともと外国のものであるから伝統という面で一日の長がある。国産と舶来の大きな違いは字幅と値段だろう。例えば国産の中字は舶来の中字と比べて一段階細い、換言すると舶来のほうが太い。同一の字幅表記でも差があるのはアルファベットに比べて複雑な漢字を筆記する都合の処置である。値段も舶来が二回りほど大きくなる。使わないからと譲られた「スーベレーンM400」という舶来品が四万円ほどすると知った時は驚いた。

 正直書き心地という点では国産も舶来もイーブンだ思うが、モンブランやペリカンといったメーカーに国産品はブランド力でまだ劣る。そのためか舶来品には伝統に触れるという一つの感動があるように感じる。

 これに関してはどちらを買えということはない。国産も舶来も持っているが国産を常用していることを告白する。愛着を持てる一本を国産だろうが舶来だろうが関係なく選定して欲しい。

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