ボッチ、皆と休憩する

 路地裏、そこは一言で表すと汚かった。


 道が所々割れていて、その隙間からは草が生い茂っている。


 無作法に投げ捨てられたであろう食べ残された屋台の様々な食べ物。


 欠けて使い物にならなくなった煉瓦や木材、更には酷く刃綻びした剣などのボロボロな装備たちが捨てられている。


 不思議と臭いが漂ってこなかった。


 普通は食べ物など生ゴミから来るはずなのだが、駿を含め全員が鼻に感じない。


 恐らく、捨てられてかなりの時間が経過して、風化された思われる。


 路地に吹き抜けるそよ風。


 汗をかくほど人混みで暑くなった体には涼しく、また心地が良かった。


 しばらく、駿達は無言のまま、路地の脇に座って風に当たりながら休憩をする。


 一日中歩いていたためか、それぞれの足に疲れが溜まっており、多少の痛みを感じている。

 

 しかし、表情は満足気だ。


 その証拠に、汚ない路地、体の疲れが気にならないほどに、各々(おのおの)が笑顔で一日をふと振り返る。


「......今日は楽しかったわ。特に、俺と駿がやった食べ比べ」


 突拍子に路地に響いた声は、優真のものだった。


 どこか懐かしむような、そんな優しげな声に駿は何か思い出したのか一度笑って、応える。


「そういえばお前すげえ食べてたよな......駿には負けねぇ! とか意味わかんねぇこと言ってたし」


「ふふっ......なにそれ。食べ比べじゃないの? 勝負じゃなくて」


 おどけた風に言った駿の言葉に、その隣で足を伸ばしている伽凛がそう笑うと、伝染するように一時路地には六人の笑い声が響く。


「......」


......なんか落ち着くな。皆とこうして話してるだけでも


 皆、当初は多少の気まずさがあったものの、今は数年間共にしてきた友に見える。


 素で笑い、素で発言し、素で反応する。


 これが本当に気を許し合った仲ではないか。と、駿は皆と笑いながらふと思った。



= = = = = =

近藤 駿side




 路地裏で優真達と話して、早10分くらい経った。


 皆が皆、遠慮はせずにどんどんと話題を挙げて話してくれるため、話が尽きることはなく、この時間だけでも本当に楽しく思える。


 因みに皆はどんな話題を上げているのかと言うと


───「アースレル団長さぁ......マジで筋肉しかないのかって思うんだよね。ほとんどが筋トレとかランニングで剣術なんてほんのちょこっとしかかじってねぇぞ。結局俺とか皆は副団長に頼み込んで教えてもらったけどよ......はぁ、団長は脳筋だわ」


 と、優真の話題はアースレル団長への愚痴で


───「私なんて『訓練する前に、その背を伸ばせ』って言われたんだよぉ!? ふざけんなだよ。全く......あの脳筋~!」


 と、安藤さんの話題もアースレル団長への愚痴で


 それと覚えているだろうか? 師匠達の中にリースさんという杖を持った魔女のことを。


 何故今それを説明したかというと───


───「はぁ......私は格差社会に絶望したよ。あのボイン魔女......」


 と、胸を両手で悲しそうに擦(さす)りながら、消え入りそうな声で言った後、最後の悪口にはこれまで以上にはっきりと強調するように発音した橘さん。


───そう、召喚士である橘さんの話題もその人への愚痴だったからだ。


 次に岩沢さん。


 この人は───


「本当に暑苦しかったなー......色んな意味で」


 いや、この人もアースレル団長への愚痴でした。


嫌われすぎじゃね? アースレル団長に至っては三人からだよ? そんなに脳筋思考の訓練をさせ続けたの? ていうかさ───






「───......全員師匠達への愚痴じゃねぇかっ!」


「ん? 今更かよ」 

 

「いやね? もっと楽しい話があるでしょ? ほら、違う話(はなし)しよ! 違う話!」


 そう提案すると、優真は「えぇ? しょうがねぇな」と返して来た。


よし、これで良いだろ。これ以上こいつらが愚痴ると、どんどん鬼化っていうか心がダークに堕ちてしまうからな......ダークに堕ちるのは俺だけでいい......あ、これ決め台詞にしようかな


 考える素振りを見せた後、優真は話題が見つかったらしく、早速口を開いた。


「あ、これなんかどうだ」


「え? なになに?」


 安藤さんが返すと、優真は得意気に話し始める。


「俺が出会ってきたとある一人の騎士の話」 


「お、なんか格好いいじゃん」


面白そうだな......


 素直にそう思った俺は、耳の穴かっぽじって聞くことにした。


「うーん......名前は偽名にしておこうか。こほん......───とある王国に騎士団がありました。その騎士団は強く、王国中からの人望が厚く、誇りでもあり、そして希望でした」


童話風に話すのか......ということはこの話はこの世界での童話の一つなのか? 


「その騎士団の中に、とある異色な騎士が居ました。その名前はアーレル。アーレルは厳格な性格と自分にとことん厳しくしていくストイックさで有名でしたが、騎士のなかで唯一、魔法が使えないことでも有名でした」


アーレルか......なんか聞いたことあるような......


「ですが、その剣術と身体能力で敵を圧倒する姿から、いつしか自然と尊敬の念を込めて『団長』と仲間から呼ばれるようになり、月日が流れるとその態度や姿勢が評価され、公式に『騎士団長』に任命されました」


「すごい人だね......」

「魔法使えないのにね」

「相当強いんだねー」

「もしかして最強だったりするの?」


 女性陣はここまでの感想をそれぞれ共有した。


 優真は「そう、最強なんだよね」と、質問に対し返答した後、話を続けた。


「アーレルが戦場に立ったら、そこに刃の旋風が巻き起こりことごとく斬殺されると言われるほど、国から、はたまた他国から恐れられていました。次第にその強さが評価され始め、いつしかの闘技大会で見事優勝し、騎士団長の名に恥じない念願の王国最強の称号を得たのでした」


「「「「お~......」」」」


 と、四人揃わせて感嘆させると、優真は「ここからだぞ......」と、何故か不敵な笑顔で言った。


 女性陣は当然首を傾げたが、俺は少々悪い予感がしてきてならない。


だって優真だし......


 根拠のない理由だが、それが的中することになる。


「ある日のことでした。この王国に、なんと見知らぬ少年少女30名が突然城の中に現れたのです」


ん......?


 雲行きが少し怪しくなる。


「どうやら召喚魔法でその少年少女達は現れたみたいでした。実行したのはなんと国王。アーレルは直ぐに国王に問い質すと、魔王軍が伝説の剣を狙っているらしく、手に入れられたら非常に不味い。そのため、力を持つこの若者達に取ってきてもらう任務を頼むために召喚した。ということでした」


......


 雲行きが大分怪しくなった。


「その後、出来ることはないかと聞いてみたところ、国王から若者達を育成してほしいと頼まれ、渋々承諾したアーレルは、こうなった以上若者達を徹底的に鍛えることにしました」


............

 

 雲行きが本当に怪しくなってきた。


どうしよう......優真が話してる物語のアーレルっていう騎士に凄く当てはまりそうな人の顔がすでに浮かんできてるんだが


 悪い予感が大きくなってきてるが、まだ物語の途中だ。違う話かもしれない。


 そう希望を持って、俺は話を聞き続けた。


「アーレルはそれから毎日、若者達を厳しく鍛えます。筋力を鍛えたり、走力を鍛えたり、筋力を鍛えたり、走力を鍛えたり、筋力を鍛えたり、走力を鍛えたり......とにかく、武器を握らせませんでした」


「「......?」」


 そこで、安藤さんと岩沢さんが少し心当たりがあるのか、考え始める。



「それからも筋トレ、ランニング、筋トレ、ランニング、筋トレ、ランニングを繰り返し、疲弊した若者達から次第にアーレルはこう呼ばれるようになります───」


「......」


うん。もうね、確定だよね......


 悪い予感が的中する。


 優真は溜めるように間を置いて、はっきりとした声でこう言った。


「脳k──「言わせねぇよっ!?」───え?」


「いや、───え? じゃないから!」


「なんだよ。話の途中じゃねえか。最後まで言わせろよ。コホン───脳k「だから言わせねぇよ!」───んだよ!」


「んだよじゃねえわ! お前絶対アーレルっていう騎士ってアースレル団長のことだよな! とある騎士の話じゃなくて、アースレル団長の話だよな! ......というか遠回しに愚痴ってんじゃねえよ! 特に最後の言葉......それ完全にお前の私情が入ってるよな!」 


こいつ愚痴じゃなくて違う話しろっていったのに......なんでさらっと愚痴に繋げるのかねこの人!


 溜め息を着いた後、優真は「は? 違う話じゃねえか」と反論してくる。


「いや何処が?」


「ほら、物語風に......ね?」


「ね? じゃねえよ。途中から嫌味が入ってるし、最後に言おうとしてる言葉で物語がそれはもう長ったらしい愚痴になってるから! ......というか遠回し過ぎんだよ! 前置き長ぇんだよ! 物語作ってわざわざ愚痴いうやつなんて初めてだよ!」


「え~......だって違う話って言われてもこれしか無いんだよなぁ......」


「あなたの脳の中には人の愚痴しか話題がないんですか?」


「んなわけあるかぁいッ!」


「じゃあ最初からまともな話題を話せやぁッ!」


「まぁまぁ......二人共落ち着いて」


 伽凛さんがそう呼び掛けてきたので、もうやめることにした。


ふぅ......全く。愚痴は内側に留めておきなさいよ......


 再び嘆息した後、「じゃあさ、近藤君はどんな訓練したの?」と、安藤さんが話題転換してきた。


「えっ......俺?」


うーん......


 いきなりふられたので、少し言葉を選んでいると


「私も聞きたいな......」


 と、伽凛さんも同調してきた。


「伽凛さんも?」


「うん......」


「どんなこと?」


 そう返すと、伽凛さんは今から言う言葉を恥ずかしがるように視線を逸らし、頬を染めながら、こう聞いてきた。



「───そ、その......近藤君......ほら......あ、アリシアさんと一ヶ月の間一緒に......それもふ、二人きりで居たわけだし......ど、どんな生活を送ってたのかなぁ~......って......その、き、気になって......!」


 少したどたどしく放たれた言葉に、いや、それよりも恥じらっている伽凛さんを見て胸が跳ねてしまった。


伽凛さん......マジで可愛いんだが。いや、もう知ってることだけど何回も言えるほど可愛いんだが......


「───だから......その、出来れば......く、詳しく話してくれないかなって......そう思ってるわけで......」


 両手を後ろで組んでもじもじとしながら、幾度となく俺と目を合わせたり、逸らしたりと、必死に恥ずかしさを堪えながら発言してくれているのが見てとれた。


「あ、俺も気になってたわ。だってあの団長以上に厳しいって王様が言ってたし」


「山に籠ってたんでしょ? 聞きたい聞きたい! どうやってやりくりしてたのか!」


 優真と安藤さんからも希望してくるため、ここは多数決なので話さなければならない。


 それに、俺の為に頑張ってくれている伽凛さんの為にも。


 いや言い方が悪かった。皆も為に率先して話題を掘り出そうとしてくれた伽凛さんの為にだな。


「分かった。......じゃあ伽凛さん、どんな生活してたのかだよな?」


 その言葉に、伽凛さんは恥じらっていた表情から一変し、一言一句聞き漏らさないような真剣な表情でぐいっと顔を近づけさせてきた。


「う、うんっ!」


「っ!? ......え、えぇっと」


顔近いな......嬉しいけど


 決め細やかな肌の端整な顔立ちをした顔を目の前にドキドキしながら、何から話そうかと考える。


生活だからな......先ずは......食べ物をどうしてたのか話すか


「衣、食、住の中の食について話すけど、基本的には現地調達した食料を料理して食べてたな」


「え? 現地調達って......鹿とか? 魚とか?」


「お、鋭いな優真。まぁ鹿に形が近いオームスっていう三メートルくらいのでかい動物を狩ってたな。魚に関しては一ヶ所あの山には川が流れててそこから超高速で流れてくる魚を師匠は手掴みで捕まえてたな......」


「て、手掴み......」


 それを聞いて驚いた表情で呟いた橘さんを含め、皆が瞠目する。


「そうそう! しかもどれも一発なんだよ。因みに俺がやったけど無理だったわ......避けられるわ、跳ねられるわ、足滑らせるわで......ははは」


 当時のことを思い出しながら思わず苦笑する。


「コツはなんだって聞くと、動きを予想するのよって......それはもう次元が違う返答してきてさ......流石師匠ってつくづく思ったわ」


「「「「「さ、流石。師匠 (さん)......」」」」」


 皆は呆然とした表情で揃って口に出す。


 可笑しく思いながら、話を続ける。

 

「次に住むところだけど、岩肌が出てるところに作った洞窟だったな」


「......おい、ちょっと待て。作ったって何だ......?」


「あぁ、元々は唯(ただ)の岩肌だったんだけど......師匠がその岩肌に向かって水属性の上級魔法をぶっぱなして強引に穴......じゃなくて洞窟を作ったんだよな......その後、そこに住むわよって平然に言われたから恐ろしく思いながら高速で何度も頷いたっけ......」


「「「「「さ、流石。師匠 (さん)......」」」」」


「で、服は持参してて、洗濯は川でしてた」


「「「「「さ、流石。師匠 (さん)......」」」」」


「いや、そこは師匠関係ないだろ!」


 一体どうしたんだと、苦笑していると優真が感心したように言ってくる。


「へぇ~......結構サバイバルしてんだな」


「まぁな。でも周りに川とか資源がたくさんあったっていうか......環境が整ってたから余り苦にはならなかったかな」


「こっちは訓練以外、全然苦にならなかったよ。ね? 希」


「うん。むしろ楽(らく)しちゃってたねー」


「身の回りのほとんどはメイドさん達がやってくれてたんだよ?」


 安藤さんからふられた話に岩沢さんは共感し、伽凛さんがその訳を説明してくれた。


「なるほど~......それは楽チンですな」


「おう。生のメイドで結構興奮したぞ......だってイメージ通りなんでも家事を完璧にこなすんですもん」


「あぁ~......俺も多分興奮してたな。見てみたかったわ。本場の実力」


「女子達も興奮してたよ。なんだかお嬢様になった気分なんだとか」


「女子もメイドに興奮するんだな......意外だ。因みに安藤さんも?」


「まあね! だってお伽噺の中に入ったみたいな気分になれるもん」


「やっぱりな」


 何故か胸を張って発言する推定159センチの子供に見えるが高校生の安藤さん。


 何度見ても、子供が自慢げに胸を張ってるようにしか見えない。


あぁー......なんだか小動物みたいだな......


 しかも伽凛さんには負けるが、アイドル並みの可愛い顔立ちをしているため、低身長+可愛いという見事なマッチで保護欲をくすぐられてしまう。


う~ん......俺ってもしやロリコン?......


 数秒悩むも、ロリコンでも良いか......ということになったが、やはり伽凛さん一筋の俺には関係ないことだ。


 そんなことを思っていると、安藤さんが話を続けてきた。


「それにね! メイドさん達の殆どが私達と同じくらいの歳らしいよ!」


「え......俺ぐらいの歳ってまだ17だよな? この歳で家事をマスターしてるってことだよな? ......凄いとしかいいようがないわ」


「だよね~! ......あ、後ね? なんか全員が可愛いんだよ」


「え? マジで?」


「マジマジ」


「ほほう......」


2次元みたいにメイドさんが可愛いなんてあり得ないと思っていたけど......これは嬉しい誤算だ!


「女子の目から見ても?」


「それはもうね......充分アイドルとしてやっていけるぐらい可愛い」


「ほほ~ん......?」


ヤバイ! 見てみてぇ! 今すぐに! 可愛い生メイドは見たい!


「なんだ駿。お前メイドさんに興味あるのか?」

 

 と、興味がなさそうに聞いてきた優真に俺は親指を立てる。


「ったりめぇよ! 可愛いメイドさんなんて早々お目にかかれるもんじゃないだろ」


「そうか? 俺なんて一ヶ月の間ずっと目の端とか写ってたからそんなに......」


「はいはいお前の価値観は要らんから。というかつくづく思うんだけど、お前すぐに冷める方向に持っていくよな。一種の才能だよ。おめでとう」


「おう、ありがとよ」


「なんでそこで純粋な笑顔を浮かべて感謝を述べるのかね。皮肉言われたんですよ? 分かってますか?」


「分かりませ───「分かってんだろこら」───あたっ」


 わざとらしく首を傾げる優真に小石投げながら、安藤さんに「で、どんな人が居たんだ?」と、メイドさんの話に戻す。


「えーっとね......優しい子とか、基本だんまりしてる子とか、気さくに話してくれる子とか中身は殆ど私達と一緒じゃないかな?」


「じゃあ皆普通の女の子ってこと?」


「そうだね。命令には基本従ってくれるけど、普段は本当にそこら辺にいる女の子だよ」


「ふ~ん......」


まぁ当たり前か......そもそもメイドさんは人間だもの。......メイドさんを特別扱いしてた俺はちょっとアホだよな......普通の女の子だったら気安く話したりも出来るよな? ......勿論時々恥じらいとかも見せてくれたりして......


「───近藤君、なんか顔が変だよ......」


「あっ......」


つい顔を真っ赤にしてもじもじしてるメイドさんを想像してにやついてしまった......


 しかも伽凛さんにその顔を見られるという大失態である。


「......そんなにメイドさんが良いの?」


「え......まぁそんなに、ってわけじゃないけど見てみたいなぁ......とか?」


「ふ、ふ~ん......そうなんだ」


「う、うん......」


「......」


「......」


「......」


「......へ?」


......俺なんかした?


 これまで話をしている俺の方を見てくれていた伽凛さんだったが、何故か視線を地面に落とした。


 雰囲気から、何処か悲しみというか、落胆が感じられる。


 その後、伽凛さんは俺と視線を中々合わせてくれなくなった。


えぇ......


 俺は何故か理由が分からないまま皆が順に話していく話題に相槌を打つのだった。


= = = = = =



────「安藤 夕香......あいつにするか?」


「そうだな。あっちの世界じゃ最初の時は結構歯向かってきて終いには《もうやめようよ......近藤君にそんなことするのは......》とか言ってきたよな?」


「はっ......そんなことがあったな。確かそんときは俺が壁に思いきり押し飛ばして、髪をちょっと強く引っ張っただけであいつ泣いて、それ以降全然歯向かわなくなったけどな」


「じゃあ久し振りにもう一度やってみるか?」


「そうしようぜ......作戦ではあの中の一人だけ誘拐すればいいんだし、誰を選んでもいいってことだろ?」


「よし、じゃあ決まりだな。卓はここで見張ってろよ」


「おう。ま、折角だから【心眼】で見張っててやるよ」


「頼むぞ」

















────「セエル王子......暗殺は失敗に終わったようです」


「───そうか」


「どうしましょうか?」


「まぁ良いだろう。予測はしていたしな......もう一つの方に移行させよ」


「は......」










────王都で、二つの影が動こうとしていた。

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