背徳的な艶めかしさもあながら、余韻はふんわりと儚く美しい。
カクヨムで見た作品の中で、いっそ紙の本として大事に持っていたいと思ったのはこれが初めてです。頽廃、純潔、罪悪、快楽そんな危ういあれやこれを美しく変えてしまう魔力が行間に詰まっている。そんな作品。
谷崎潤一郎が好きな人だけでなく、端麗な文章を書きたいと思う人はぜひ読んでいただきたいです。自主企画に寄せられた説明文の整然とした美しさに興味を引かれ拝読しましたが、「萌え」を耽美主義に昇華させた高い芸術性に感動いたしました。自分では到底到達できないこの高みにただただ憧れます。
読み終わると、不思議と悲しみのような感情が押し寄せてきた。彼女のことを見つめる主人公の気持ちが伝わってきたのか、わからないが虚無の世界にいるようだった。これほど男を魅了させる力を持つ彼女が、現実にいたら、会ってみたい気持ちがあった。そうして一緒にしゃぼん玉で遊びたいです。 耽美な彼女に溺れてしまいそうになる。