#21 - 小話:実際のところ、どんな声で鳴くのかしらね

 未咲「ねぇねぇ玲香れいかちゃん、わたしこの前ね、動物図鑑ずかんを見てたんだけどさ」

 玲香「?」

 未咲「孔雀くじゃくっていう大きな鳥がいたらしいんだよ、大昔のこの世界に。

    でもね、鳴き声が書いてなくて、どんな声で鳴いてたんだろうって

    考えてたんだけどね……これはね、あくまでわたしの予想なんだけど」

 玲香「聞かせてちょうだい」

 未咲「ズバリ! くじゃー! だと思う!

    どうかな、玲香ちゃん? わりと当たってると思わない?」

 玲香「(うわー、なんとも言えないやつー……)」


 そんなことを話していると、教室に春泉はるみちゃんが入ってきた。


 春泉「ハウディー!」

 玲香「おはよう、春泉」

 未咲「春泉ちゃん、よくぞいいタイミングで入ってきてくれました!

    突然ですが、孔雀って鳥の鳴き声、どんな感じだと思いますか!」

 玲香「(無意識のうちに手マイクしてるわね、この子……)」

 春泉「えっ? うーん……くじゃー、とか?」

 未咲「やっぱりー? なんか可愛かわいいよね、もし本当にそう鳴いていたらさ!」

 玲香「(えっ、うそ、もしかしてこれ、わたしだけふたりとズレてる?)」


 思わず不安になっちゃうわよ。ふたりだけの常識であってほしいものね……。

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